ニュース速報
ビジネス

アジアの信用市場揺らぐ、CDSスプレッド拡大 一部で3年ぶり水準に

2025年04月07日(月)16時34分

 4月7日 トランプ米大統領の関税発表に伴い景気後退懸念が金融市場全体に波及する中、アジアの信用市場が7日、急に揺らぎ始めた。写真は3月19日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

By Tom Westbrook

[シンガポール 7日 ロイター] - トランプ米大統領の関税発表に伴い景気後退懸念が金融市場全体に波及する中、アジアの信用市場が7日、揺らぎ始めた。企業や国家の債務不履行(デフォルト)に対する保険料が上昇した。

S&Pグローバルのデータによると、ソブリン債と社債で構成されるマークイット算出のItraxx Asia指数(日本除く)の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは約26ベーシスポイント(bp)上昇し、昨年8月以来の高水準となった。

中国、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアのソブリンCDSスプレッドも拡大。インドネシアとタイは2022年以来の水準を付けた。

関税発表を受け、アジアを含めた世界的な株式の急落に追随してクレジット市場が揺らいでいる。みずほ証券(シドニー)のオーストララシア債券資本市場責任者サイモン・ウォード氏は「株式市場だけではない。信用スプレッドが大幅に拡大し、投資家が現金や他のコモディティーへの投資に動いている」と指摘。債券市場はおそらく様子見モードに入り、ボラティリティーが急上昇しているため、取引は一時停止されるだろうと述べた。

米国債とICE BofA米投資適格債指数のスプレッド(利回り差)はトランプ氏の関税発表以来、約20bp拡大、ハイイールド米国債とのスプレッドは約96bp拡大した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米アマゾン、150億ドル規模の倉庫拡張計画を検討=

ビジネス

トランプ氏「USスチールが日本に渡るのは望まず」、

ワールド

韓国通商交渉本部長、トランプ氏関税停止で交渉余地生

ビジネス

トランプ政権、エヌビディアH20の対中輸出制限を撤
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた考古学者が「証拠」とみなす「見事な遺物」とは?
  • 4
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 5
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 6
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    毛が「紫色」に染まった子犬...救出後に明かされたあ…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    トランプ関税で大富豪支援者も離反「経済の核の冬」…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 10
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中