アジアの信用市場揺らぐ、CDSスプレッド拡大 一部で3年ぶり水準に

4月7日 トランプ米大統領の関税発表に伴い景気後退懸念が金融市場全体に波及する中、アジアの信用市場が7日、急に揺らぎ始めた。写真は3月19日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
By Tom Westbrook
[シンガポール 7日 ロイター] - トランプ米大統領の関税発表に伴い景気後退懸念が金融市場全体に波及する中、アジアの信用市場が7日、揺らぎ始めた。企業や国家の債務不履行(デフォルト)に対する保険料が上昇した。
S&Pグローバルのデータによると、ソブリン債と社債で構成されるマークイット算出のItraxx Asia指数(日本除く)の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは約26ベーシスポイント(bp)上昇し、昨年8月以来の高水準となった。
中国、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアのソブリンCDSスプレッドも拡大。インドネシアとタイは2022年以来の水準を付けた。
関税発表を受け、アジアを含めた世界的な株式の急落に追随してクレジット市場が揺らいでいる。みずほ証券(シドニー)のオーストララシア債券資本市場責任者サイモン・ウォード氏は「株式市場だけではない。信用スプレッドが大幅に拡大し、投資家が現金や他のコモディティーへの投資に動いている」と指摘。債券市場はおそらく様子見モードに入り、ボラティリティーが急上昇しているため、取引は一時停止されるだろうと述べた。
米国債とICE BofA米投資適格債指数のスプレッド(利回り差)はトランプ氏の関税発表以来、約20bp拡大、ハイイールド米国債とのスプレッドは約96bp拡大した。