トランプ氏「USスチールが日本に渡るのは望まず」、買収反対示唆

4月9日、トランプ米大統領は、米鉄鋼大手USスチールの日本製鉄による買収計画について、USスチールが日本に行くことを望まないと述べた。写真は、日本製鉄のロゴ。2024年4月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は9日、米鉄鋼大手USスチールが日本に行くことを望まないと述べ、日本製鉄による買収を支持しないことを示唆した。
トランプ氏は「日本に渡るのは望んでいない。われわれは日本を愛しているが、USスチールは非常に特別な企業だ。日本や他の国に渡るのは望んでおらず、関係者と協力している」と述べた。
この発言は、トランプ政権の最近の行動と矛盾しているように見える。この発言を受けて、時間外取引でUSスチールの株価は一時14%下落したが、その後やや値を戻した。
日鉄によるUSスチール買収を巡っては、バイデン前大統領が1月、阻止する決定を下した。これに対し、トランプ氏は7日になって「さらなる措置が適切かどうか判断するため」、対米外国投資委員会(CFIUS)に新たな審査を行うよう指示。市場はこれを、トランプ政権がUSスチール買収承認を検討している可能性を示唆したものと受け止め、同社株価は大幅上昇していた。
USスチールと日鉄のコメントは得られていない。
ホワイトハウスはトランプ氏の発言内容や7日の審査指示と矛盾するかどうかについて詳細な説明をしなかったが、ある当局者は「大統領にとっては全てが常にテーブルの上にある」と語った。