古谷経衡「我、如何にして政党党首たらんと欲す──れいわ新選組代表選挙顛末記」
私は常に不偏不党でありたい。どこの政党にも良いところと悪いところがあり、常に是々非々で判定したいし、そうであるべきだと思っている。私がれいわの党役員を受諾するのはたやすいことだ。根本的な理念について支持しているとはいえ、決定的に違ったときにはどうするのか。この詰めもまだ未定である。正直私は今の段階で、既存政党に大きく主体的に関与するのか、それともあくまで局外中立でありつつ、個別事案について親和的な姿勢を堅持する、あるいはまったく独自に、生活に密着した地方政治などに関わりながら作家業を行うのか──そのいずれが日本や社会にとって微力ながら良いと判定されるのかを迷っている。軽々に私一人では判断できない。
いずれにせよ、議員経験のない民間人が、この規模の国政政党の党首選挙に出たのは、少なくとも戦後憲政史上初めてのことであろう。「政治離れ」「政治不信」と言われて久しいが、その根本は、民主主義の根底を形成する「政党政治」が、「部外者を門前払い」するシステムを採用していたことである。政党の党首選挙は、供託金の必要が無いばかりでなく、選挙カーやチラシを印刷する必要もない。選挙事務所ものぼり旗も必要が無いのだ。お金のかからない「選挙」が良いというのであれば、その具現化こそ公党の党首選挙だ。根本的な理念を共有してていて、なおモノ申したいというのであれば、あなたも既存政党の党首選に立候補することをお勧めする。そういえば、アメリカの共和党・民主党の予備選もそんなものじゃなかっただろうか。いま、民主主義の足腰が問われている。議員になるまえに党首選で言いたい放題をしてみるのもまた、民主主義の醍醐味ではないか。
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