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フランス外交には女性改革が必要だ
フランスは日本よりはるかにリベラルで、女性の立場も強い、というのは偏見です。政府レベルではどちらもあまり変わらないのです。民間企業では女性社長も多いですが、そういう女性はえてして男性と変わらないくらいお金に貪欲なのですから、その数が増えても人間社会が根本的によくなるわけではありません。
フランスの女性は多くの場合、個性が強く、一般教養のレベルも高く、ユーモアとロマンあるマイルドなフェミニストです。とても魅力的で、フランスの誇りだと私は確信しています。彼女たちが外国で大使になれば、世界中で「女性の地位向上」のために戦ってくれることは間違いありません。軍事力と経済力を失ったフランスはまだ外交大国でありたいというのであれば、女性による外交革命diplomatie féminineこそが必要なのではないでしょうか。
今年の夏には、外務省でも恒例の大異動が行われます。冒頭のリベラシオンの記事を読んだであろうマクロンの鶴の一声で、史上初の在日フランス女性大使が誕生するでしょうか。マクロンの信念が問われます。
※5月28日号(5月21日発売)は「ニュースを読み解く哲学超入門」特集。フーコー×監視社会、アーレント×SNS、ヘーゲル×米中対立、J.S.ミル×移民――。AIもビッグデータも解答不能な難問を、あの哲学者ならこう考える。内田樹、萱野稔人、仲正昌樹、清水真木といった気鋭の専門家が執筆。『武器になる哲学』著者、山口周によるブックガイド「ビジネスに効く新『知の古典』」も収録した。
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