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犬猫マイクロチップ装着の3つの利点 他の動物、人間の埋め込み状況は?
専用の読み取り機を埋め込まれた部分にかざすと、15桁の個体識別番号が表示される(写真はイメージです) LuckyBusiness-iStock
<個体を識別できるマイクロチップを埋め込むことで、迷子になっても飼い主の元に帰りやすくなったり、飼育放棄を防ぐ効果が期待されている。犬や猫といった伴侶動物以外でも、西欧では90年代に競走馬への装着が広まっていた>
環境省は1日から、ペットショップやブリーダーなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着を義務化しました。2019年に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正されたことによる措置です。
販売業者は譲渡前までにマイクロチップを装着し、環境省のデータベース「犬と猫のマイクロチップ情報登録」へ登録を行うことが義務付けられます。
飼い主の立場から見ると、今後はペットショップなどから犬や猫を迎えた場合は、飼い主が30日以内に所有者変更の届け出を行う義務が生じます。知人や保護団体から譲り受ける場合は、マイクロチップの装着は必須ではありませんが、努力義務とされています。6月1日以前から所有している犬や猫についても、マイクロチップの装着は努力義務です。
東日本大震災後に注目されるように
健康な犬や猫の体内に、わざわざマイクロチップという「異物」を入れることに抵抗を感じる飼い主もいるでしょう。
マイクロチップは、直径2ミリ、長さ1センチ程度の円筒形の電子標識器具です。金属物質の周囲を生体適合ガラスで覆っていて、アレルギーや異物反応が起こりにくいようにしてあります。装着は、獣医師が専用の注射器を使って行います。
部位は、首から肩甲骨の辺りの皮下に注射します。まったくの無痛というわけにはいきませんが、犬や猫にとっては予防接種と同じくらいの痛みだと言われています。マイクロチップ装着による身体への負担はほとんどないと考えられており、品種にもよりますが、犬は生後2週齢、猫は生後4週齢頃から埋め込むことができます。
埋め込まれた部分に専用の読み取り機を当てると、世界で唯一の15桁の個体識別番号(ISO規格)が表示されます。この番号から、飼い主の名前や住所、連絡先などを確かめることができます。
伴侶動物へのマイクロチップ装着は、2011年の東日本大震災の後に注目されるようになりました。震災で飼い主と離ればなれになってしまった犬や猫は、自治体等に保護されました。首輪に迷子札や犬鑑札が付いていた場合は、ほぼ100%飼い主が判明しました。けれど、首輪がはずれたり首輪から迷子札が取れたりしたケースでは、多くの犬や猫が飼い主とは再会できませんでした。
マイクロチップを装着する第一の利点は、上記のケースのように、迷子になったり災害で飼い主と離れてしまったりしても、飼い主の元に帰りやすくなることです。これまでは迷子に備えて首輪に連絡先を書いた札を付けることが多かったのですが、特に災害や事故の場合は外れてしまうこともありました。体内に埋め込まれたマイクロチップならば脱落する可能性は低く、半永久的に装着できます。
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