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翼竜にカラフルな羽毛の痕跡 恐竜との類似点、相違点から進化を考える
1861年に始祖鳥の化石が発掘されて以来、「鳥類の祖先は恐竜」という仮説が提唱されるようになりました。研究が進むと、恐竜(詳細には獣脚類:二足歩行の肉食恐竜)から鳥類が進化したことはほぼ確実であるとされましたが、恐竜と鳥類とでは「指の番号が異なること」が謎として残っていました。
動物の指はもともと5本だったものが、進化の過程でさまざまに変化したと考えられています。そこで研究者らは本来の親指から小指までに1~5の番号をつけて、どの指が残っているのか、退化したのかなどを検討します。
恐竜と鳥類の前肢(翼)は指が3本です。恐竜は1~3指であることは定説でしたが、鳥類では1~3指説と2~4指説がありました。田村教授らは2011年、鳥類で2~4指に見えるのは観察時期や見かけ上の問題で、実際は恐竜と同じ1~3指であることを発生学の手法を用いた実験で示して、長年の議論に終止符を打ちました。
日本が恐竜研究で世界をリードする日
日本と恐竜の縁は他にもあります。実は日本では、2000年代に入って恐竜が続々と見つかっています。
1978年に岩手県で恐竜(既存種)の化石が見つかって以来、日本では多数の恐竜の化石が発掘されました。うち、ワキノサウルス(1992年、福岡県)、フクイラプトル(2000年、福井県)、フクイサウルス(2003年、福井県)、フクイティタン(2010年、福井県)、タンバティタニス(2014年、兵庫県)、コシサウルス(2015年、福井県)、フクイベナートル(2016年、福井県)、カムイサウルス(2019年、北海道)、ヤマトサウルス(2021年、兵庫県)の計9種は、学名が付けられました。
岐阜、福井、石川各県などに分布する手取層群は、中生代ジュラ紀中期~白亜紀前期(約1億数千万年前)にかけての地層で、福井県で発見された新種はすべてこの地層で発見されています。多くの種類の恐竜化石が発掘される層群として、世界的にも有名です。
さらに昨年、新種と分かったヤマトサウルスは、当時に中心的だった種と比べて2000万年ほど登場が古い種であることが分かりました。発見された淡路島は昔のままの種が残存できた地域で、ヤマトサウルスは進化種と共存できた「レフュジア」と考えられています。
日本は、地質や研究の面で、今後も世界をリードするような恐竜に関する新しい知見が得られそうです。今後もニュースが楽しみですね。
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