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AI鑑定はアート界の救世主か? ルーベンス作品の真贋論争から考える
絵画の鑑定は、一般的に①その画家特有の画法と筆致かどうかを判別し、②作品が誰の手に渡り、どのように伝わったかの履歴を調べることで鑑定します。それでもわからない場合は、③科学的手法を使います。顕微鏡で経年ヒビや筆使いの状態を見たり、蛍光X線分析で画材やキャンバスの組成が当時に合致しているかを調べたりします。
ルーベンスの「サムソンとデリラ」で行われたAI分析は、第4の鑑定方法として期待されています。けれど、AIによる偽物判定は「2000作もあるルーベンス作品のうち148作品との比較で正確を期せるのか」「仕上げの筆致がたとえ弟子だとしても、ルーベンスが作品構想から十分に関わっていたらルーベンス作と言えるのではないのか」などの課題もあります。
ルーベンスの真贋は、弟子が描いていたら化学分析や年代判定では判定が難しく、筆致鑑定も複数人のものが入り交じっていれば困難です。最新の科学的手法やAI分析を使って真実に迫ることができても、未だ100%の決着をつけるのは難しいところが、アートの面白さと深さなのかもしれません。
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