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Web3で作る新しい家族の形=ブロックチェーンに刻むパートナーシップ証明
ブロックチェーンが新しい家族の形を生むかもしれない(写真はイメージ) KSChong-iStock.
<ブロックチェーンはなぜ画期的と言われるのか。その社会実装例の1つが同性婚だ。時代遅れの国家の許しを待つ必要がなくなるかもしれない>
日本ではLGBTQの人たちの婚姻が法律で認められていない。だが法律を変えなくてもWeb3技術で婚姻届と同等の恩恵を受けられるかもしれない。そう思わせてくれるのが、ブロックチェーン技術を活用し家族関係証明書を発行している一般社団法人Famieeだ。法律を変えなくてもビットコインという世界通貨ができたように、法律を変えなくても新しい結婚制度が可能かもしれない。Web3の社会実装の1つの事例になりそうだ。
法的な婚姻が認められていないために、同性カップルが受ける不都合は幾つかある。例えば、住宅ローンを組むときにカップルとしての収入合算が認められない。生命保険の受取人になれない。家族として認められないので手術の同意書に署名できない。会社の福利厚生を受けられない。ほかにもいろいろあることだろう。
国が同性婚を認めないので、婚姻同等のパートナー関係であることを認めるパートナーシップ証明書を発行する自治体が増えてきている。
Famieeのパートナーシップ証明書は、スマホのアプリから申請し、発行の事実をブロックチェーン上に記載する仕組みだ。ブロックチェーンは、仕組み的に改ざんがほぼ無理だし、未来永劫残る。政府、自治体よりも、証明書の優れた記録方法かもしれない。
記録するだけでは意味がない。結婚同等の恩恵を受けられなければ意味がない。Famieeでは既に70以上の企業、保険会社、病院、自治体などがFamieeの取り組みに賛同。Famieeが発行する家族関係証明書(現在は同性パートナーシップ証明書のみ)を提示する同性カップルに対し、夫婦と同等に扱うことを宣言しているという。Famieeのホームページには賛同し導入している組織のリストが掲載されている。賛同する組織が十分に増えてくれば、法律が改正されなくても婚姻と同様の恩恵を受けることができる。賛同する組織が今後どの程度増えるのかが重要なのだと思う
ただいくらブロックチェーンに記録されるからといって、「われわれ結婚します」と宣言しただけの同性愛カップルを、夫婦同等と認めてもいいものだろうか。婚姻関係には、財産分与、扶養、貞操などの義務が伴う。「権利と義務」の「権利」だけを求めるカップルに悪用されないだろうか。Famieeの発起人で代表理事の内山幸樹氏に聞いてみた。
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