コラム

働き方改革に不可欠な「空気革命」のやり方

2018年11月29日(木)08時00分

<<ポジティブな「実質スタンダード」の例>>
●「朝は30分早く出勤して、お店の中を掃除するのが当たり前」
●「お客様に不快な気分を与えないよう、身だしなみを整えておくのは当たり前」
●「業務時間外にビジネス書を読んで、スキルアップに努めるのが普通」
●「上司から指摘されるより前に、報告・連絡・相談するのが常識」

ポジティブな「実質スタンダード」は「名目スタンダード」よりレベルが高く、組織により貢献する内容となっています。そしてそれをするのは当たり前で、そのことで苦痛を覚えないし、面倒だとも思わない。とても前向きな姿勢がうかがえます。こういう組織は、「1+1>2」で表現できます。それぞれ個人がポテンシャル以上の力を発揮します。

文章だけを読むと、「そこまでやる必要があるのだろうか」と受け止める人もいるでしょう。しかし、そのような空気に染まった組織にいれば、それが「普通」「常識」になっていきます。

組織には「2・6・2の法則」があります。組織は「20%のできる人」「60%の普通の人」「20%のできない人」に構成されやすいとした法則です。

ネガティブな空気が蔓延した組織には、上位20%の人が違和感を覚えるものです。「この価値観はおかしい」「会社のことは好きだけど、この風土は決してよくない」と思い、いろいろ働きかけるでしょう。しかしそれでも長年醸成されてきた「空気」に変化が見られないと判断すれば、その組織から離れていく可能性があります。

反対に、ポジティブな空気に染まっている組織は、下位20%の人にはとても居心地の悪い場所となるでしょう。「なんでそんなに一所懸命になるの?」「そこまでやって楽しい?」と不平を口にするかもしれません。その場の空気に染まることができず、こういった方々も組織から離れていく可能性があります。

組織には「浄化作用」があります。

結局、ポジティブな空気に感化されない人、ネガティブな空気に馴染まない人は、それぞれ去っていくことになります。そうして、ポジティブな空気の会社はよりいっそう澄んだ空気に、そしてネガティブな空気の会社は、以前より淀んだ空気に染まっていくのです。

「空気革命」をするために......

「実質スタンダード」というのは「名目スタンダード」と異なり、どこにも明記されていません。その価値基準は何となくであり、アバウトなもの。私たちコンサルタントが現場に入り、「どうやら御社は残業が長い人のほうが評価されるようですね」と問いただしても、経営幹部は「そんなはずはない。今どき時間外労働を奨励する会社なんてありませんよ」と返してきます。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB総裁、欧州経済統合「緊急性高まる」 早期行動

ビジネス

英小売売上高、10月は前月比-0.7% 予算案発表

ワールド

中国、日本人の短期ビザ免除を再開 林官房長官「交流

ビジネス

独GDP改定値、第3四半期は前期比+0.1% 速報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story