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働き方改革に不可欠な「空気革命」のやり方
<<ポジティブな「実質スタンダード」の例>>
●「朝は30分早く出勤して、お店の中を掃除するのが当たり前」
●「お客様に不快な気分を与えないよう、身だしなみを整えておくのは当たり前」
●「業務時間外にビジネス書を読んで、スキルアップに努めるのが普通」
●「上司から指摘されるより前に、報告・連絡・相談するのが常識」
ポジティブな「実質スタンダード」は「名目スタンダード」よりレベルが高く、組織により貢献する内容となっています。そしてそれをするのは当たり前で、そのことで苦痛を覚えないし、面倒だとも思わない。とても前向きな姿勢がうかがえます。こういう組織は、「1+1>2」で表現できます。それぞれ個人がポテンシャル以上の力を発揮します。
文章だけを読むと、「そこまでやる必要があるのだろうか」と受け止める人もいるでしょう。しかし、そのような空気に染まった組織にいれば、それが「普通」「常識」になっていきます。
組織には「2・6・2の法則」があります。組織は「20%のできる人」「60%の普通の人」「20%のできない人」に構成されやすいとした法則です。
ネガティブな空気が蔓延した組織には、上位20%の人が違和感を覚えるものです。「この価値観はおかしい」「会社のことは好きだけど、この風土は決してよくない」と思い、いろいろ働きかけるでしょう。しかしそれでも長年醸成されてきた「空気」に変化が見られないと判断すれば、その組織から離れていく可能性があります。
反対に、ポジティブな空気に染まっている組織は、下位20%の人にはとても居心地の悪い場所となるでしょう。「なんでそんなに一所懸命になるの?」「そこまでやって楽しい?」と不平を口にするかもしれません。その場の空気に染まることができず、こういった方々も組織から離れていく可能性があります。
組織には「浄化作用」があります。
結局、ポジティブな空気に感化されない人、ネガティブな空気に馴染まない人は、それぞれ去っていくことになります。そうして、ポジティブな空気の会社はよりいっそう澄んだ空気に、そしてネガティブな空気の会社は、以前より淀んだ空気に染まっていくのです。
「空気革命」をするために......
「実質スタンダード」というのは「名目スタンダード」と異なり、どこにも明記されていません。その価値基準は何となくであり、アバウトなもの。私たちコンサルタントが現場に入り、「どうやら御社は残業が長い人のほうが評価されるようですね」と問いただしても、経営幹部は「そんなはずはない。今どき時間外労働を奨励する会社なんてありませんよ」と返してきます。
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