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働き方改革に不可欠な「空気革命」のやり方
現場に確認しても、「うーん、どうでしょう。本当は早く帰ったほうがいいんでしょうけど」と曖昧に答えます。このように「実質スタンダード」というものは、空気のように実態のないものです。しかし組織構成員の意思決定に強い影響力を及ぼしています。どんな言葉で取り繕っても、組織構成員の行動でわかります。そしてよほどの問題が起こらない限り、この「実質スタンダード」が外に漏れ出ることがないのです。
それでは、どのようにすれば組織の空気を浄化させることができるのでしょうか。
影響力のある外部の人間が入り込むことによって、中の空気がなかば強制的に入れ替えられる、ということはあります。「空気革命」です。しかし、それほどインパクトをかけるのが難しく、時間がかかっても空気を置換したい人は、「守破離(しゅはり)」の思想を思い出してみましょう。師から教わった「型」を守り、繰り返し実践して体得してから、その「型」を破り、最終的には「型」から離れて自由になることを「守・破・離」と呼びます。
ネガティブな空気が蔓延している組織は「名目スタンダード」が形骸化しています。ですから「実質スタンダード」を再度、徹底的に守らせます。「守破離」の「守」へ回帰するのです。ベテランも新人も、その組織へやってきた当初の気持ちに戻るようにします。
私は企業の目標を絶対達成させるコンサルタントです。とはいえ、クライアントにいきなり結果を出させることはできません。まずは数カ月間、自分が宣言した行動指標・プロセス指標を期限内に必ずやり切ってもらうよう指導します。
自分と組織とで交わした「約束」さえ守れないうちは、次のステップへ移行することはありません。「結果」ではなく「行動」の目標ですから、できない理由は限りなくゼロに近いはずです。想定外の問題が途中であらわれても、工夫しながら自分で乗り越えます。組織のメンバー全員が例外なく「やり切る」こと、約束を「守る」ことで、組織の空気が徐々に変わってきます。
「場の空気」が変わるのには少々時間がかかりますが、その分、持続性の高い効果があります。「目標はあくまでも目標であり、できる限りのことをすればいいよね」という空気を一変させ、「目標は絶対達成させる。達成するのが当たり前」という空気を作れば、必ず個人が実力以上の力を発揮するようになります。組織内の空気が淀んできたと感じたら、その都度、初心に戻り、原点回帰をしてみましょう。
(アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長)
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