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要注意!若いミドルマネジャーを苦しませる「アラ定(アラウンド定年)の部下」たち
最低限のITリテラシーとコミュニケーション能力が必要 stockstudioX-iStock.
<定年間近の部下にやる気がなくて困っている、という30~40代の管理職が増えている。このままではだめだ>
30歳前後の方を「アラサー」と呼び、40歳前後を「アラフォー」と言います。同じような略語に「アラ還」があります。還暦に近い人のことです。
その流れに便乗し、私は「アラ定」を使うことがあります。
「アラ定」とは、「アラウンド定年」の略。年齢を基準にした「アラ還」と異なり、定年退職の時期に近づいているかどうかが基準です。
このような略語を使うようになったのは、とにかく「アラ定」のベテラン社員にやる気が見られないからです。
「ミドル上司vsアラ定部下」
「最近の若者はやる気が見られない」という上司のぼやきは、今は昔。ひと昔前までは「ベテラン上司vs若者部下」であった構図に、今は「若いミドル上司vs高齢のアラ定部下」という構図も加わりつつあるのです。
私は企業の現場に入り込んで目標を絶対達成させるコンサルタントです。仕組みの構築やスキルアップが目的ではなく、「結果」が求められる支援をしています。
30代、40代の課長や部長職の方が私の研修を受け、
「60歳を過ぎた部下が私の下に異動してきました。行動指標を決めても、まったくやり切ってもらえません」
「昔、世話になった上司が私の部下になり、本当に困っています。昔ながらのやり方を変えてもらえないので、チームの空気が締まらないのです」
......このような「ぼやき」を口にする人が急増しているのです。
ミドルマネジャーの悩み
20代の若者を前にして悩むのは、ある意味健全ですが、人生の先輩である10歳以上も年上の方が部下についたら、誰でも戸惑うことでしょう。しかも相手が「アラ定」だと、なおさらです。
「Cさん、まだ営業部にデータを送ってないって、聞きましたよ。期限は今週の水曜日だったのに」
「え、水曜日? そうだっけ?」
「そうだっけ、じゃなくて......。店舗をまわって商品の陳列状態を写真で撮り、クラウドにアップするだけじゃないですか」
「あのタブレットで写真を撮るのか」
「何を今さら......。説明会を聞いていたでしょう? 手取り足取り教えてもらって、操作も覚えたはずです」
「タブレットで写真を撮ってから、どうすればいいんだ。画像をアップしろと言われても、どこにデータを保存していいのか」
「保存なんか意識せず、クラウドにそのままアップすればいいのです」
「私は後2年で定年なんだ。そう追い込まんでくれよ」
「全国で実施している調査なのに、このエリアだけができてないと本部から叱られてるんです。困ったなァ」
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