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一般企業のマネジャーの9割がAIに置き換えられる理由
どんなに客観的なデータに基づく事実を示しても、「そんなやり方でうまくいったなんて、見たことも聞いたこともない」と一蹴するマネジャーは、どこの企業にもいます。というか、ほとんどのマネジャーは、自分の感覚的な判断材料で意思決定をしているのです。
その点、AIには思考のクセがありません。過去の体験に基づいてできあがったフィルターや認知バイアスがない。マネジャーの思考にバイアスがかかっておらず、正しいデータをもとに意思決定しているのであれば、マネジャーが言うことを素直に聞き入れる部下も増えることでしょう。マネジャーに求められる大切な要件は、論理的思考能力以前に、素直さ、誠実さだからです。
ほとんどのマネジャーが抱える3つの問題点
現場で見ていると、マネジメントをするうえで出てくる問題は、たいてい以下の3つに集約されます。
● 決めたことを「やらない」
● 決めたことを「やるのが遅い」
● 決めたことを「やり続けない」
セミナーなどで年間5000名を超えるマネジャーと接しますが、マネジャーたちの悩みは、ほぼこの3つです。目標達成させるためのいいアイデアが浮かばない、などとアンケートに書く人はほとんどいません。アイデアや仮説が正しいかどうか以前に、部下が言うことを聞かない。主体性に欠ける部下に手を焼いている、という悩みが大半なのです。
一部の天才的な人が生み出す発想をAIに求めるのは、まだ難しいでしょう。しかし過去の膨大なデータを組み合わせて、精度の高い仮説を立案することはもう可能です。柔軟な姿勢で、部下に行動変容を促すコミュニケーションをすることもできるでしょう。
マネジャーに求められるのは、何といっても「凡事徹底」だからです。
「統制範囲の原則(スパン・オブ・コントロール)」から考えれば、ひとりのマネジャーが統制できる範囲は5~10人程度と言われています。しかし、AIがマネジャーになれば、この概念を超えると私は予想します。それに、多くの企業が抱えている悩みは、マネジメントルールが統一していないことです。「福岡の支店長が名古屋の支店長になったら、とたんに名古屋の成績がアップした」「本社の課長が、仙台の営業所長になったら、仙台営業所の離職率が高まった」ということは、どこの企業にも起こっています。マネジャーが独自のやり方をし、それを会社が統制できていないのです。
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