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「働き方改革」のウラで進む「時短ハラスメント(ジタハラ)」の実態
いっぽうで、営業部や開発部などは本来クリエイティブな仕事です(本来、と書いたのは、クリエイティブに仕事をしていない人が実際には大勢存在するからです)。クリエイティブな仕事は、何をどこまでやることによって、どのような成果が戻ってくるのか、ある程度慣れるまでは予測がつきません。
「時短」の考え方で、資格試験に合格できるか?
たとえば社労士や中小企業診断士の資格に絶対合格してやろうとがんばっている人がいます。その人に「資格試験は絶対に合格しろ。でも勉強時間は30%カットしろ」と言ったらどうなるでしょうか。どれぐらい勉強時間をかければ、どれぐらい点数がとれるか、まだわかっていない状態の人に、「一律30%カット」などと通告したら頭がパニックになります。しかもそれらの資格を合格したこともないような人から「もっと効率よく勉強したまえ」「ちんたら勉強してても合格しないぞ」などと嫌味を言われたら、がんばっている人ほど苦しみます。
これは一種のハラスメントです。同じことをやるのに時間がかかる人もいるのです。特にクリエイティブな仕事をしている人に、慣れないことをさせているときは、あまりに「時短」を強要しないことです。
時短には時間がかかる
社労士の資格をとるのに「800時間」をかけた。にもかかわらず不合格になった人がいたとします。翌年「1000時間」をかけたのだけれども不合格。翌年「1300時間」かけてようやく合格したら、その人には「1300時間」が必要だった、ということかもしれません。
しかし、「1300時間」は多すぎるので、もう少し効率よく勉強していこうか。次に試験を受けるときは「1100時間」ぐらいで合格できるように工夫していこう――このように言われたら、がんばろうという気持ちになることでしょう(実際には何度も同じ資格試験を受ける人はあまりいないでしょうが)。
最初は合格するのに「1300時間」かかっていた人が、「1100時間」でも合格。「900時間」でも合格......と少しずつ「時短」ができるようになってくるのが本来の理想です。
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