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WikiLeaksアサンジは、結局「正しかった」のか? スノーデンとは実は「微妙」な関係
エクアドル大使館で暮らしていたころのアサンジ(2017年) Peter Nicholls-REUTERS
<ついにアメリカに身柄が引き渡される可能性のある「ウィキリークス」のアサンジだが、これまでの軌跡とスノーデンとの微妙な関係を紐解く>
2022年6月17日、イギリスの内務省は、かねてからアメリカ政府によって要求されていた内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジ被告の身柄送致を承認した。
アサンジは、米政府や米軍などの機密情報をウィキリークスのサイトで暴露したとして、米司法省からスパイ防止法違反など18件の罪で起訴されており、2019年からイギリスで拘束されてアメリカへの身柄の引き渡しをめぐる協議が続けられていた。
アサンジ側は7月1日、イギリス内務省の決定を不服として、高等法院に申し立てを行った。これからまたアサンジの処遇をめぐって協議が続けられることになる。
そもそもは機密情報の暴露で知られるようになったアサンジだが、2010年に訪問先のスウェーデンで女性への性的暴行の容疑をかけられ、イギリス滞在中に逮捕された。裁判を逃れるために在英エクアドル大使館に逃げ込んで、そこから2019年まで籠城生活を続けたものの、その後イギリス当局に拘束され、現在に至っている。
アサンジが率いるウィキリークスの活動については当初から賛否が渦巻いていた。
ウィキリークスが暴露してきた内部告発では、大量の米国務省の外交公電や米軍の内部文書などを、無修正のまま忖度なく公開してきた。米国務省などに協力している他国の関係者の名前もそのまま公開していた。
アメリカの「不都合な真実」を白日の下に
筆者はこれまで、取材などで米政府や米軍関係者たちにウィキリークスについての見解を聞いてきたが、ほとんどが「彼らは米政府を危険にさらしてきた」「政府の安全保障に大打撃だ」と激しく非難していた。実名も公開されることで、国外の米大使館関係者らが信頼を失い、協力者らを失うケースもあったようだ。
こう見るとウィキリークスが「やりすぎ」な部分もあるという指摘は理解できなくはない。他方で、米軍が隠してきた「不都合な真実」を白日の下にさらしたケースもあった。
例えば2007年には、イラク戦争後から混沌としていたイラクで、ロイター通信社のイラク人カメラマン2名が、米軍のヘリコプターからの誤射によって殺害された。カメラマンらは筆者の元同僚だったのでよく覚えているが、当時、米軍の発表ではカメラマンらが戦闘に巻き込まれて犠牲になったということになっていた。
しかし、ウィキリークスが米軍の機密書類の中から暴露した動画(閲覧注意)には、米軍がカメラマンらをテロリストと間違って殺害した様子が映っていた。これによって米軍の嘘がばれる形になった。
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