ベトナムと日本人
人気沸騰中の稼げるブロックチェーンゲームはベトナム製!
最近話題の「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」という言葉をご存じですか?
ブロックチェーンゲームという楽しく遊んで「稼げる」ゲームが話題になっています。
このブロックチェーンゲームの中で、人気の中心なのが「アクシーインフィ二ティ(Axie Infinity)」。
アクシーインフィニティは、「Sky Mavis」と言うスタートアップ会社が開発したゲームですが、
このSky Mavisは、ベトナム ホーチミンに会社を置いていて、スタッフもほとんどが若いベトナム人達がなんです。
アクシーインフィ二ティとは?
さて、アクシーインフィニティが「稼げるゲーム」と言いましたが、実際どういうゲームなのか?
どうやって稼ぐのか?
Axie Infinityはじめて2ヶ月。トータル10,000SLPに到達、直近の高騰もあって1ヶ月で10万円くらいの副収入になりました。冷静に考えて毎日1時間ちょこっとゲームやってるだけで稼げるのどゆことーと思いつつ、ゲームで稼ぐ波に乗ってみます。https://t.co/OofvdEnI4D
-- テツヤマモト@ゲームで稼ぐ (@okapo192) July 4, 2021
ツイッタラーのテツヤマモトは、1日1時間ちょこっとゲームをしただけで、1ヶ月で10万円の副収入になったという。
アクシーインフィニティ You Tuber「Axie King Aruchan アルちゃん」は5~6時間のプレイで6440円の利益があったと言っています。
ゲーム画面は楽しそうで、キャラクターはつい集めたくなるような可愛さと、それぞれ異なる個性を持っています。
ゲーム内容は、ポケモンやたまごっちのようなかわいいキャラクターを戦闘や育成をして、
そのキャラクターを成長させていくゲームです。
従来のゲームだとキャラクターを成長させてゲットしたポイントはだだのゲーム内だけのポイントですが、
アクシーインフィ二ティでキャラクターを成長させてゲットしたポイントは仮想通貨なので、
円やドルなどの法定通貨に替える事が出来るという訳です。
さらにそのキャラクターもゲームを始める時に仮想通貨で買うんですが(ゲーム開始時に3体購入が必要)、
それも仮想通貨を通じて転売する事ができるんです。
また、ゲームの外に出してキャラクターやアイテムの交換をすることもできます。
楽しいですね!
まさにブロックチェーン技術がなせる技!
このゲームは世界中で人気ですが、フィリピン等ではスマホとWiFi環境があればどこでも出来るので、
新型コロナ拡大の影響もあり、また一般的な月収より稼げると言う事で、
このゲームをして「働く」フィリピン人が増えています。(cnbc.comより)
まさに「Play To Earn(遊んで稼ぐ)」を体現している...!
ベトナムのスタートアップゲーム会社「Sky Mavis」が「Play To Earn」の大波を作っているのです。
SKY MAVISとは?
新しい働き方「Play to Earn」の大波を生み出している、ベトナム ホーチミン市にある「Sky Mavis」。
ウェブサイトの写真を見ると、スタッフは若いベトナム人達がほとんど。
そして、ファウンダーの1人のインタビューを読むと、ブロックチェーンゲームへの愛情が伝わります。
また、今後は世界大会を開催する構想などもあり、ベトナムから生まれたアクシーインフィニティの世界はより拡大していくでしょう。
ベトナムは2025年までにデジタルガバメントを目指す
ところで、ベトナムは2025年までに首相指示でデジタルガバメントを実現する戦略を発表している。
その中にはブロックチェーン技術や、またAI技術の推進も含まれています。
近未来にベトナム政府のデジタル化の実現が予定されているのです。
2025年のデジタル・ガバメントの実現目指し戦略を策定
ベトナム政府は6月15日、首相決定942/QD-TTgを出し、2030年を視野に入れた2021~2025年のデジタル・ガバメントに向けた電子政府の発展戦略を承認した。
戦略では、2025年にデジタル・ガバメントを実現するための目標として、100%の行政手続きがレベル4(注1)のオンライン形式で提供されることや、全ての国民がスマートフォンを所有しQRコードにひも付けられたデジタルIDを有することなどを掲げた。その後、2030年には国連の電子政府ランキングで上位30カ国(注2)に入ることを視野に入れるとした。
また、戦略が目指すデジタル・ガバメントでは、企業の役割が重視される。具体的には、企業が公共サービスを提供したり、公共サービスに簡単にアクセス、利用できるような創造的で新たなサービスを開発したりすることを可能とする。このほか、デジタルサービスの実験スペースを設け、法律で未規定のデジタルサービスの試行を許可する法的枠組みを整備するとした。
さらに、ベトナムのデジタル企業を成長させるため、デジタル・ガバメントのシステム構築の際には、ベトナムの組織・企業が設計・生産した製品、技術、ソリューションの使用を優先する。そして、「メード・イン・ベトナム」のサービス、アプリケーションを開発し、海外への展開を目指していく。
技術の面では、QRコード、人工知能(AI)、ブロックチェーンなど、ベトナムに優位性があり、大きな変革をもたらす可能性がある技術を選択し、その研究を推し進める。中でも、ブロックチェーンについては仮想通貨の研究、実用試験を行い、AIについてはベトナム独自の製品、サービスを創出して、ベトナムの競争力の向上、国のデジタル・トランスフォーメーション推進の基盤とすることを目指すとした。
海外展開の面では、デジタル技術に関する国際的な法的枠組みや基準・原則の策定に主動的、積極的に参加しつつ、他国のデジタル・ガバメントの構築を支援することで、ベトナム企業が開発したデジタル・ガバメントの製品、サービスの市場をつくり出すとした。
(注1)政府が定めるオンライン公共サービスのレベル。レベル1から4までがあり、レベル4が最も高度で、行政手続きの申告から結果の受領までがオンラインで完了し、手数料の決済もオンラインで可能となる。
(注2)2020年の調査では、ベトナムは86位。
jetroより引用
2025年を目指すベトナム政府のDXに伴って、政府は国内のIT企業数をますます増やす予定である。
アクシーインフィ二ティを世界でブレイクさせるような、優れたスタートアップ企業がベトナムにはあり、
そしてベトナムのIT業界は、多くの若く優秀で夢のあるベトナム人エンジニア達が支えているのだ。
これからは新しい世界を創り、人々を沸かす若者がベトナムからますます登場するだろう。
アクシーインフィ二ティはゲーム業界のゲームチェンジャー
Sky MavisのCEO、グエン タイン チュン(Nguyễn Thành Trung)は、ベトナムのニュースメディアのインタビューで語っている。
「従来のゲームはゲーム自体もキャラクターもコピーが可能だったけど、
ブロックチェーンゲームはコピーが不可能だから、独自の価値を生むことが出来るんだ。
さらにブロックチェーンゲームのキャラクターやアイテムはゲームの外へ持出すことも出来る。
プレイヤーは独自性があるキャラクターを外へ持ち出して集めたり、交換したり、
売買して楽しむ事も出来るから深く長くゲームを楽しむ事が出来るんだ。」
「でも、まだブロックチェーンゲームはまだゲームを始めるまでに複雑な手順が必要だから、
多くの人々にはまだ浸透していない。だから僕らの使命は大変でも、
ブロックチェーンゲームをもっと誰もが簡単にゲームを始められるようにすることです。」
2021年7月15日に発売した「ファミ通ゲーム白書2021」によると、
2020年の世界ゲームコンテンツ市場は前年比31.6%増の20兆6417億円になると推計した。
この巨大ゲーム市場のゲームチェンジャーになるのは、このベトナムの若者たちかもしれない。
Sky Mavis / 公式サイト
Axie Infinity / 公式サイト
▶ベトナムの現地情報を知る事が出来る「ベトナムの日本人」を併せてお読みください。
著者プロフィール
- ヨシヒロミウラ
ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x