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最新ポートランド• オレゴン通信──現地が語るSDGsと多様性

山本彌生|アメリカ

米国ポートランド・新ターミナルが注目を集める理由! 『 持続可能な空港で体感する幸福感? 』 空港トップが語るリーダーの3つの真髄とは?

『ええっ!? ここって空港なの?』と感じてもらえるよう、70本以上の生木を配置。(中には7メートル以上の高さの木まで!) さらに、5千鉢以上の植物を使って、米国北西部の森をPDXの中にそのまま再現しています。 なぜここまでするのかって? それは旅をもっと心地よく、ストレスフリーにしたいという願いから。 …こだわりぬくのが、まさにポートランド流。   Photo | Port of Portland | Ema Peter Photography

2024年8月中旬、ついにポートランド国際空港(以下、PDX)の新ターミナルがオープン!

その前夜祭となるオープニングパーティーにご招待を受け、ターミナルに足を踏み入れた瞬間....「うわっ!空気がおいしい!」

それもそのはず、米国空港としては異例の9エーカー(約3万6千㎡)という木造デザインの屋根。そこには、持続可能な方法で調達された地元産の木材がふんだんに使われています。

さらに、ポートランドの町に立在するおしゃれなポートランドブランド店舗の数々。そのデザインにも心がときめきます。

PDX新ターミナルのキーワードは、『サステナビリティ―と地域愛の融合』。

持続可能な成長、地域愛・地元文化の統合、地域経済(中小企業)への貢献、エコ。そしてDEI(多様性・公平性・包摂性)です。

今回は、著者の長年の友人であるロビンホールド港湾長に、特別インタビューを敢行。他のメディアでは語られない秘話に迫るスペシャル版をお届けします。

一般メディアでは取り上げていなかった、耐震対策や日本への直行便の可能性。 さらには巨大空港を牽引するために欠かせない、『リーダーとしての3つの要』も深堀り。

さあ、新しく生まれ変わったPDX空港の全貌を、一緒に覗いてみましょう!


newsweekjp_20240909115801.jpgオープニングパーティーでの州知事のスピーチ。でも、前に座っている『ミス・オレゴン』の冠が大きすぎて良く見えない~(笑)前から4列目なのに~。 でもこの後、「ごめんねー、これ超大きいのよ~」とフレンドリーな彼女。特別に冠をそっと頭にのせてもらいました。 Photo | Yayoi Yamamoto | PDX Coordinator & Planning, LLC

| 進化するPDX:未来への挑戦と持続可能な発

長期的な拡張計画が進行中のPDX。今回オープンした新ターミナルは、その第1期工事にあたります。

ターミナルをさらに使いやすくするため、全体の動線、チェックインカウンター、出迎えエリア、セキュリティエリア、標識やインフォメーション、レストラン・ショップなどが改良中。2026年初頭の完成です。

このPDX巨大プロジェクトに込められた思いを力強く語る、ロビンホールド港湾長。

でもその前に・・・すでにメディアで報じられた内容をざっくりとご紹介します。

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Photo | Port of Portland | Ema Peter Photography

〖 建築・地域の未来を築く中小企業支援 〗

建築・拡張工事では、中小企業にビジネス機会を提供し、雇用創出を促進。地域経済の活性化にも重点を置き、特にこれまで取り残されてきた中小企業に新たなビジネスチャンスを提供し、それを基盤としてビジネスを成長させる機会を作り出しました。

〖 エコとデザイン:地域に根ざした持続可能性 〗

地域の環境と経済に最大限の配慮をしています。オレゴン州のネイティブ・アメリカン部族と長期に渡り話し合いと勉強会を持ち公平な取引で供給された木材を使用しています。先住民地域で先祖代々守り育てられた木々は、旅行者に伝統と文化を伝える役割を果たします。

さらに、自然光を多く取り入れる屋根のデザインにより、建物全体のエネルギー消費が50%削減され、人工照明の使用も従来より50%少なく抑えました。

〖 DEI:多様性が創る新しい地域価値 〗

障害を持つ旅行者のための取り組みが評価され、連邦航空局の『市民権アクセシビリティ・パートナー賞』を受賞。これは、すべての人が社会に平等に参加、公共施設や交通機関での差別を禁止し、障害を持つ人々が平等な権利を享受できることを目指す賞です。

また、車椅子利用者のために木製の通路を採用し、全ジェンダー対応トイレや視認性の高い新しい標識を導入することで、公平に誰もが利用しやすい環境を整えています。

さらに、新しいショップやレストランはすべて地元ブランドで、そのうち60%が女性やマイノリティーのオーナーによって運営されています。

この様に、PDX全体でDEI(多様性、公平性、包摂性)を全力で推進・支援しています。

〖 地元文化の統合:空港を超えた新しい「プレイス」 〗

単なる空港の枠を超え、ポートランドの精神を反映するデザインや地元アーティストの作品をいたる所に設置。地域文化のハブとしての役割を担うことに心を砕いています。


詳しくは、こちら(英語版)をご覧ください。
https://www.portofportland.com/Newsroom/the-local-est-airport-yet-the-new-pdx-starts-opening-aug-14

次ページ PDXの耐震対策とは? 待望の日本直行便復活の可能性は? さらに、リーダーとしての揺るぎない『3つの核心』に迫ります!

Profile

著者プロフィール
山本彌生

企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。

Facebook:Yayoi O. Yamamoto

Instagram:PDX_Coordinator

協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)

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