最新ポートランド• オレゴン通信──現地が語るSDGsと多様性
コロナ禍「5つのカイゼン思考」ポートランド・イノベーション仕事術
| 持続可能な『地域への活用』思考
ビジネスで構築された思考を持つハーバートさん。そのスキルを使って、今のポートランドの地域や社会問題を解決する支援も行っています。
40才までは、がむしゃらに自分のビジネスのために知恵と経験、イノベーション思考を構築してきました。しかし、50代に入った頃から、これを地域社会のために使わなければと考え始めたのです。
「この地域をより一層良くするため。同時に多様性と公平性を向上させるために、地元の業界団体、州と市の委員会に多くの時間を投資しています。
実はその際に、先ずこう宣言をするのです。参加者の貴重な時間が効率よく使われ、解決方法を見いだすために努めている。そんな本気の委員会のみに、私は参加をしたいと。
偉そうに聞こえるかもしれませんが、話し合っているだけで自己満足をしてる会議は、時間と労力、そしてお金の無駄だとしか思えないからです。
行政の機構改革の会議に、私のようなビジネスマインドを持った人間が入り、率先して効率的にカイゼンを行っていく策を提案していく。特に、コロナ前のやり方が通じなくなっている場所や部分では、改革的な思考が必要になっています。
もしあなたの地域でシステムが無ければ、あなたがそれを作り出して提案してみてはどうでしょうか。これからの新しい時代と次の世代のための地域作りには、あなたの経験と知恵を生かさない手は無いと思います。
プランをしっかりと練ったら、先ずは『ダメ元で働きかけてみる』。どう転がるかなんて、誰にもわからないのですから。イノベーター・マインドです。」
自分のスキルと時間を公的機関に捧げる。同時に、中小企業を運営し続け、収益を上げ続けるのは至難の業です。でもその中で、多くの発見、学び、よろこびがあると締めくくってくれました。
自然に親しみ汗をかきながらの暮らしの中で、最新AIやバーチャル機器を使って仕事を続ける。アナログとデジタルという、双方の利点を融合させる生活に人間の本質を見いだしているハーバートさん。
この時代に合ったカイゼンを常に考えながら、自分自身への『新しい問い』を絶えず発信すること。これはきっと、人間だけにできることなのではないでしょうか。
あなたは、今日どんな『問い』をご自身に投げかけますか。
「本、コト、ときおりコンフォートフード」
ハーバート|he/him|BIM CONNECTION 他数社 | CEO、投資家
バスケコートのネット取り付け。地元の子供の笑顔を見たくて...
屋外の公共バスケコートが、町のいたる所にあります。でもほとんどが、ネットが取れてフープのみ。これじゃ、だれも遊びません。見るに見かねて、自費で購入。煙突掃除のおじさんのように脚立を持って、一つ一つ取り付けるため地域を廻っています。ネットが付けば、自然と子供が戻ってきてプレイをしている。こうして、小さな社会が生まれ作られていくのです。文句を言うだけではなく、公的機関が着目しない小さなことは、出来る人が率先して動く。そうすれば、この社会はもう少し美しいものになるんじゃないでしょうか。
著者プロフィール
- 山本彌生
企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。
Facebook:Yayoi O. Yamamoto
Instagram:PDX_Coordinator
協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)