オーストラリアの診察室から
オーストラリアンオープン
今年のテニスのオーストラリアンオープンは、2月8日からメルボルンで始まる予定です。しかしいくつかの難題を抱えています。
選手が感染
メルボルンとオーストラリアの
ホテル隔離についての説明がどこまで選手にきちんと行われたかは双方の意見が食い違うため定かではありません。しかし不満をもつ選手に対して批判的な意見もあります。そもそもメルボルンは112日間に及ぶ世界でもかなり長い部類にはいる厳格なロックダウンを行いました。そして新型コロナウイルス市中感染無しの状態を再び作りました。メルボルンの市中感染はもともとはホテル隔離のミスから発生したため、ホテル隔離システムにはより一層厳しいスタンダードが求められています。国によっては14日の隔離を必要としない国もあるようですが、オーストラリアは新型コロナウイルス対策として14日間のホテル隔離をパンデミック発生の初期から行っています。海外からオーストラリアに入国するものは基本的に全員隔離が必要とされます。稀に特例で自宅での隔離が許可される場合もありますが、本当に稀です。そのためオーストラリア国民からすると隔離は当然という感じです。また隔離が厳しいと海外の選手からの苦情があるようですが、部屋からでられないなど規制は他の海外帰国者も同じなので、特別厳しいわけではありません。
開催反対の意見
(GordonBellPhotography-ISTOCKs)
開催する理由
まだ世界中で新型コロナウイルスが収まらない中、開催されるオーストラリアンオープンは様々な問題を抱えていますが、大会開催後に市中感染が広がらないよう祈るばかりです。
参考
https://theconversation.com/self-entitled-prima-donnas-or-do-they-have-a-point-why-australian-open-tennis-players-find-hard-lockdown-so-tough-153631
https://www.theage.com.au/sport/tennis/volley-with-a-view-why-and-how-do-you-hold-a-grand-slam-in-a-pandemic-20210120-p56vid.html
https://www.theaustralian.com.au/sport/tennis/australian-open-to-go-ahead-as-anger-brews-over-covid-charter-flight-handling/news-story/86b35c09538f70f21599bee3662834c0
https://www.9news.com.au/national/australian-open-coronavirus-second-charter-flight-records-positive-covid19-case/365e6652-6816-4be5-9c9b-85e94f6f6d20
https://www.theguardian.com/australia-news/2021/jan/09/australians-stranded-overseas-say-slashing-arrival-caps-makes-returning-home-near-impossible
https://number.bunshun.jp/articles/-/846771
https://www.premier.vic.gov.au/strict-quarantine-rules-serve-safe-australian-open
https://www.nbcnews.com/news/world/australians-stranded-abroad-struggle-get-amid-pandemic-n1249318
著者プロフィール
- 高尾康端
日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。
Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog