シンガポールと時々アフリカ
シンガポールのルミネに並ぶアフリカ服は東京発!?
バーやクラブが軒を連ねるシンガポールのナイトライフの中心地、 クラーク・キー。
そんなクラーク・キーにあるショッピングモール「クラーキー・ キー・セントラル」になんと日本のルミネが!
ルミネ初の海外店舗で、2017年にオープン。お客さんの多くはシンガポール人。ただ最近は、 新型コロナウイルスの影響で日本に帰りづらくなったシンガポール 在住日本人が、 日本のブランドを求めて来店することも多くなったそうです。
LUMINE SINGAPOREに並ぶのは、日本でもお馴染みのTOMORR OWLANDやSNIDELなど。
今回、なんと期間限定で、 筆者が代表を務める東京発のアフリカンイニシアティブ「 Tokyo Africa Collection」 がセレクトしたルワンダと南スーダンのブランドも取り扱って頂く ことになりました。
Tokyo Africa Collectionは、2016年以降、 日本で複数回にわたりアフリカをテーマにしたファッションショー やポップアップショップ等を実施。日本初進出のアフリカ各国のブランドを数多く紹介してきました。モデルは主に日本人を起用。 とっつきにくいアフリカをとっつきやすく、 日本の人たちが日々の生活に、 気軽にアフリカ発のブランドを取り入れてくれたらという思いで活 動を続けてきました。
Tokyo Africa Collectionにとって、今回がシンガポール初進出です。
直近の主催ファッションショーであるTokyo Africa Collection 2019の様子。東京・有楽町で開催。約600人を動員。
根底にあるのは、「アフリカの良いものを知ってもらいたい」 という思いです。依然、アフリカと聞くと「戦争」「貧困」「 感染症」「原始的」などとネガティブな印象を持つ人が多いです。
それは日本だけではなく、現在自分が暮らすシンガポールでも、 同じような印象を、 悪気なく持つ人がまだまだ多いように思います。
それもあり、 今回シンガポールのルミネでいくつかのブランドを期間限定販売す ることができ、とても嬉しいです。
Tokyo Africa Collection 2019では、ナイジェリアのスニーカーブランドKEEXSも紹介
今回、LUMINE SINGAPOREに並ぶのは、ルワンダから3ブランド・ 南スーダンから1ブランドの計4ブランドです。
店頭に並ぶTokyo Africa Collectionのセレクトブランド(筆者撮影)
1. Winnie G Fashions (South Sudan)
南スーダン人デザイナーWinnie Godiによるブランド。内戦下にある南スーダンで、 自身のブランドを立ち上げ、 世界へ羽ばたこうとしている女性起業家。 ルワンダでファッションショーデビューした後は、ガーナ、 ケニア、 タンザニアなどアフリカ各国のファッションショーで活躍。
Tokyo Africa Collection 2019の際のWinnie G Fashionsのコレクション
今回シンガポールでは、エプロンからウィメンズ、メンズ服まで幅広く販売する(撮影:Takuma Sekiguchi)
2. KARSSH Collections (Rwanda)
ルワンダのファッションデザイナー協議会会長を務めるデザイナー Karen Uweraのブランド。 Karenはウガンダの首都カンパラでキャリアをスタートし、 ルワンダに移った後は自身のブランドKarssh Collectionsを立ち上げた。直近では、 Mercedes-Benz Fashion Week KigaliやKigali Fashion Weekで作品を披露。 ルワンダのファッションデザイナーをけん引する存在。
Tokyo Africa Collection 2019で、ランウェイを歩くデザイナーのKaren Uwera(右)
シンガポールでは、主にオフィスカジュアルを販売(撮影:Takuma Sekiguchi)
3. Sahorn Design (Rwanda)
ドイツをベースに活動するルワンダ人デザイナーSandrine Horn Murorunkwereによるブランド。 ブルンジのSOS子供の村(NGOの施設)で育ち、 ジェノサイドの後、両親を探しにルワンダへ行くも、 二人とも殺されてしまっていたことを知る。 ファッションデザイナーになることを志し、 キガリに小さいショップをオープン。
その後ドイツに移住し、 服を通してヨーロッパでルワンダの良さを伝える。将来的には、 ルワンダに戻り、多くの人に職を提供したいと思っている。
Tokyo Africa Collection 2019の際のSahorn Designのコレクション
店頭にはSahorn Designのバッグも並ぶ(筆者撮影)
4. Touch of Rwanda (Rwanda)
ルワンダの若手デザイナーShema Charlotteによるブランド。Kigali Fashion WeekやRwanda Cultural Fashion Show等国内のファッションショーで頭角を現し、 韓国のBusan Fashion Weekに招待され、作品を披露するなど国際的にも活躍する。 男性用スマートカジュアルから子供服まで幅広いラインをそろえ、 国内に2店舗を構える。
Tokyo Africa Collection 2019で、モデルとランウェイを歩くデザイナーのShema Charlotte(中央)
Touch of Rwandaのラインはどれも色鮮やか(撮影:Takuma Sekiguchi)
2020年11月13日(金)までの期間限定販売ですが、 シンガポール在住の方は一度お店をのぞいてみてはいかがでしょうか 。
LUMINE SINGAPORE
「ルミネシンガポール」はシンガポールリバー沿いClarke Quay(クラークキー) 駅直結のクラークキーセントラル2階に出店しています。「"I Am Who I AM" 」をキーワードに、日本のファッションを通してシンガポ ールのお客様に新しい感性や価値観を提案する複合型セレクトショ ップです。 幅広いテイストや商品を編集し、全20ブランドが出店。 ローカルと融合した新たなファッションカルチャーの共創を目指し ていきます。
公式サイト:https://lumine.sg/
Facebook:https://www.facebook.com/lumine.sg/
Instagram: https://www.instagram.com/lumine.sg/
Tokyo Africa Collection
Tokyo Africa Collection (株式会社東京アフリカコレクション)は、 東京のテイストを取り入れつつ、 新しい形でアフリカのブランドを主に日本・ アジア各国で広めるファッションイニシアティブです。 アフリカ各国の日本では知られていない魅力を、日本の10- 20代のアフリカ無関心層に届けることを目的にしたファッション ショーの企画・運営を行っています。 アフリカ各国のブランドを招聘・PRする一方で、 アジアやヨーロッパのその他のアフリカ関連のファッションプロジ ェクトとは異なり、一貫して、アジア系のモデルを中心に起用。 10-20代の若年層のニーズや嗜好を反映したキャスティング・ ブランディング・演出に力を入れています。 期間限定ショップでの服の販売や、 アフリカ各国のPRプロジェクト等、 ファッションショー以外にも幅広く事業を展開しています。 Tokyo Africa Collectionの活動はNHK、Japan Times、WWD、日本経済新聞、 朝日新聞ほか国内外多数のメディアに取り上げられてきました。
公式サイト:https://www.tokyoafricacollection.com/
Facebook: https://www.facebook.com/tokyoafricacollection
Instagram: https://www.instagram.com/lumine.sg/
Twitter: https://twitter.com/tac_tokyo
著者プロフィール
- 菅生 零王
1993年イタリア生まれ、日本育ち。アフリカをテーマにしたファッションショーTokyo Africa Collectionを立ち上げ、以後代表を務める。2019年に株式会社東京アフリカコレクションとして法人化、代表取締役に就任。ファッションショーの他にも、ポップアップショップ、アフリカ各国のPR企画などに取り組む。傍らP&Gにも勤務(マーケティング)。早稲田大学卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士課程修了。現在シンガポール在住。