ドイツの街角から
日独デザイン交流プロジェクト「デザインクラッシュ」ポップアップ展へ
日本とドイツはある面よく似ているといわれる。几帳面、時間厳守、勤勉などが挙げられるだろう。しかしデザインの世界ではアプローチの違いが顕著だという。そこでドイツ最大の日本人コミュニティのある西部デユッセルドルフで、デザイナー3人が日独デザイナーの交流を深めたいという思いから「デザインクラッシュ」プロジェクトを立ち上げた。(画像はすべて筆者撮影)
ファッションやアートシーンの中心地デュッセルドルフ
デュッセルドルフは、ノルトライン・ウェストファレン州(NRW)の州都で人口約63万人を有する大都市。国内で5本の指に入る重要な経済都市であると共に、国際的な結びつきが強く、重要な金融・証券取引所の中心地でとして知られる。またファッションやアートシーンなどクリエイティブ産業のメッカとしても注目を浴びている。
そして8000人以上の日本人が同市周辺で生活している、欧州で3番目に大きな日本人コミュニティのあるユニークな街だ。リトルトウキョウで知られる日本人街インマーマン通りは、コミックや和食を通して日本文化を体感したいと国内外から訪れる人が後を絶えない。在独日本人のなかには、日帰りでデユッセルドルフへ出向き、和食材を買い求める人も多い。
こうした多彩な魅力を持つ同市で、日独のグラフィックデザイン&イラストレーションに焦点を当て、「デザインクラッシュフェスティバル 2025」のプロローグとして始まったポップアップ展のオープニングが6月初旬開催された。
日独デザインシーンに新たな活力を与えたい
デザインクラッシュは、展示会やフェスティバルのコンセプトを通じてデザインシーンの可視化を高め、日独のデザイン分野における連携の強化、都市の枠を超えた認知度を向上させるとともに、両国のデザインシーンに新たな活力を与えることを目指している。
ポップアップ展では、地元から参加の尾方匠さんとStudio Gruppo Dueに加え、東京からは主催者が特別に今回招待した美山有さんと高田唯さんの作品が展示された。
画像は、上から美山有さん、尾方匠さん、高田唯さん。ポップアップ展自作品前にて。
さらにドイツのGruppo Dueと日本の高田唯さんが共同で「デザインクラッシュ」のハートロゴを使った限定Tシャツ(150枚)も発売された。
日独文化に囲まれて生活する中で...
著者プロフィール
- シュピッツナーゲル典子
ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。
Twitter: @spnoriko