ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
支援を求める人と支援をしたい人をミャンマーのエンタメで繋ぐ事業
皆さんこんにちは。
ミャンマーはヤンゴンより新町がお送りしております。
雨期で涼しくなってきたので40度を超えていた一時期よりは随分マシですが、これを書いている今も停電中でエアコンが使えず汗だくになりながら執筆しています。
このような酷い電力事情は私がミャンマーに住むようになった2014年当時より酷いものです。
つくづく施政というものの大切さを痛感する日々です。
今回は以前私が手掛けようとしていたクラウドファンディング事業の立ち上げについてお話しようと思います。
その前にお知らせです。
毎週火曜日21時から(日本時間)clubhouseを中心にミャンマーを伝える配信をしています。
その名も
「ミャンマー言いたい砲台ラヂオ」
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それでは本題です。
ミャンマーでのクラウドファンディング事業を興そうとした話です。
「興そうとした」と表現している通り、事業は立ち上がらずにストップしています。
いつかチャンスがあればまた事業立ち上げを再開したいとは思っていますが、その時期は皆目見当がついていません。
つまりこれは成功ではなく失敗の話です。
あまり堂々と話すようなことでもないとは思いますが、これもミャンマーのリアルではあるので皆さんに共有すれば有用な情報になるかと思い、今回お伝えさせていだきたいと思います。
日本では2011年ごろから本格的にスタートしたクラウドファンディングですが、私がミャンマーでこの事業を始められないかなと考えたのは2017年ごろだったと思います。
最初はのキッカケはミャンマーの人がとても寄付する人たちだという事を知ったからでした。
あるヨーロッパのNGOの調査で世界一寄付する国民となったのは記憶に新しいところです。
生活の一部に寄付する、ボランティア活動するというのが日本人以上に身近にある人達です。
当然、寄付する人たちが直接的な見返りをそこで求めている訳ではありません。
であったとしても、例えばリターンが支援した人たちからのメールであたりビデオメッセージであれば寄付をした人も凄く嬉しいのは間違いないと思ったのです。
ビジネス的な表現をするのなら今以上に顧客満足度を上げる事ができると考えました。
一つ印象的なエピソードを紹介します。
当時、通訳に雇っていたミャンマー人の女性がいて、会社オフィスの近くで寄付活動している人たちの話になった時に、
「私はあの人達に寄付はしません、彼らはビジネスでやっているから」
という事を聞きました。
どうやら純粋なボランティア活動ではなく、寄付されたものの中からかなり必要経費として使われているという団体もあるようでした。
どちらかというとミャンマーの人は盲目的にとにかく寄付をするというようなイメージがあったのですが、このようにキチンと考え使われる先までを意識する人も少なからずいるという事がわかった出来事でした。
寄付(支援)をしたい人は相当数いる、その上でキチンと信用できる支援先を探している人たちがいる。
そこに我々がエンタメ要素を追加したクラウドファンディングのプラットフォームを作ることができればこれはミャンマーの活性化にもつながるのではないかと考えたのです。
先ずは国内に目を向けるとやはり都市部と地方とでは物価が随分違います。
そして情報が届きにくい事もあり、格差も進んできていましたし、その傾向は国が経済的に発展するにつれ進んでいくだろうと思われました。
この都市部と地方の人たちを結びつけるプラットフォームにしていかなければいけないと考えました。
そして次は海外に出ているミャンマーの人たちに目を向けます。
世界に出ているミャンマー人は数百万人いると言われています。
そしてその9割以上の人(私調べです)たちが故郷ミャンマーに寄付(支援)をしたいと考えていたのです。
この辺りは金融のライセンスの問題もあるので直ぐにという訳にはいかなかったですが、いずれこの国外のミャンマー人と国内のミャンマー人を繋ぐというのも非常に意義のある事だと考えました。
実際に海外在住の人は金融の規制が強い中でも様々な方法でミャンマーへの資金的な支援をしているようでした。
その一助となれれば国の発展に寄与できると考えました。
更には私たち日本人のミャンマーへの活動にも目を向けます。
クラウドファンディングのプラットフォームを使い、ミャンマーへのプロジェクトの支援を募るというのが出てくるようになりました。
中にはミャンマーで新規事業を立ち上げるための資金調達している日本の若手もいました。
(いくつかの事業案件には支援しました)
これは良い事だと思った反面「凄くもったいないな」と思う面もありました。
何故ならそれらのプラットフォームは全てミャンマー以外のプラットフォームだったからです。
何が違うのか?
クラウドファンディングのプラットフォームが事業である以上、そこには手数料と税金が発生します。
その手数料と税金がそれぞれの国に落ちていくというのが凄くもったいないと思いました。
ほかならぬミャンマーの案件なのにミャンマー発のプラットフォームが無いという理由で手数料や税金を享受できないというもどかしさがありました。
ここは残念ながらミャンマーが取りこぼしているところだなと感じ、同時にチャンスだとも思いました。
以上のような事を数年かけて理解できた時にこの国でクラウドファンディングのプラットフォームを作るという事業が非常に意義あるものであり、大きな可能性を秘めていると考えるようになっていきました。
そして、2019年春ごろから本格的にその準備を始めるに至るのですが、当然というかやはりというかその道のりはなかなか厳しいものでした。
長くなってきたのでこの続きは後半に続きます。
それではまた明日。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
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