ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
現在のミャンマーヤンゴンのコロナの様子
皆さんこんにちは。
新町です。
雨期が始まり一気に湿度が上がった感じがします。
この時期になると湿気には要注意です。
とある施設のトイレに行ってみると白い壁が湿気で変色していました。
「ああ雨期が来たんだな気を付けないと」
と思わされる出来事です。
油断すると服などもカビてしまうのでこの時期は注意が必要です。
さて、こちらにいるとクーデターの事に加え「コロナがどうなっているのか?」
という事をほぼ毎回聞かれるので今回はヤンゴンで私の活動範囲ではありますが、自分や現地の人たちがどのようにコロナと対峙しているのかというのをお伝えできればと思います。
その前に一つお知らせをさせてください。
少し前になりますが、J-WAVE JAM THE PLANETの出演しました。
番組自体は3時間近くあるのですが、その中から私が出演したところがアーカイブ化されています。
ミャンマーについて現地ヤンゴンから思うままにお伝えしていますので是非お聴きいただければと思います。
先月書いた記事を読んでもらえればより深く理解していただけると思います。
それでは本題です。
現在のヤンゴンでコロナがどうなっているか?
これいつも聞かれてそのたびに答えているんですが、そういえば文章でまとめたことはなかったなと気付いたのでここらで一度記しておこうと思います。
そもそも何故みんな気になるのかというと、日本ではまだまだコロナ対応が大変だからなのですね。
結論から言うとミャンマーではアメリカやイギリスなどのようにアフターコロナ、ウィズコロナという雰囲気で進んでいるように感じています。
ただ、ミャンマーの場合は今あげた2つの国やヨーロッパなどのようにコロナの対策が充分な上でのアフターコロナではありません。
勿論ウィズコロナとも違うと言えます。
やはりまだまだ途上国なりの医療レベルでしか無いのでこの国でコロナに罹患した場合は日本や他の先進国などと比べると非常に危険度は高いと思われます。
実際、昨年の6月7月というのはミャンマーのコロナ被害が最も多くでた時期でした。
正確な数字は未だにわかってはいませんが、数万人の犠牲者が出たのではないかと言われています。
デルタ株が猛威を振るったという事もあるのですが、それ以上に軍の失政だと私は強く感じています。
実際NLD政権下では昨年4月以降からワクチンの接種を国民の多数へ広げるための準備が進められていたりしたのですが、クーデター後その動きは全く進みませんでした。
それどころかデルタ株が蔓延し、沢山の重傷者が出て、酸素を沢山必要としている国民へ向けて軍はこの酸素の共有を制限したのです。
ここヤンゴンでも街中で自分の身内や近しい人の為に酸素を求めて駆け回る人たちが沢山いました。
これも正確には確認がとれない情報ではありますが、ヤンゴンで一日1000人火葬できるはずの火葬施設がキャパオーバーをし、遺体を積んだ車が延々と順番待ちの為に並ぶという悲惨な光景が続いたりもしました。
まさしくこれは天災ではなく人災です。
この時期、私は本当に1カ月程、家からほぼ出ない生活をしました。
色んな情報が錯綜していましたが、とにかく家から出ずに人との接触を少しでも避けることが最も効果の高い対策だと思ったからです。
残念ながらこの時期ミャンマー在住の日本人の中にも数名犠牲者が出てしまいました。
もし日本であれば羅漢したとはいえ助かった可能性がある命です。
さて、そんな危機的なコロナの状況があったミャンマーではありますが、
いえ危機的状況であったからこそかもしれません。
早くからアフターコロナの意識はあったのだと思います。
そもそもこのクーデター禍で国民の生活はかなりの制限が強いられています。
2020年4月の最初のコロナロックダウンの時は当時の政府の指示にもキチンと従い大人しく自粛をしたり、付けなれないマスクをしたり手洗いを励行したりしていました。
もともと日本人程清潔に対しての意識が低い国なので、これもなかなか凄い事だと思います。
今はその辺りの意識の低下があるのは事実だと思いますが、ミャンマーの人たちに清潔にしておいた方が良いという概念は残っているのではないかと感じています。
現状、外でマスクをしている人はかなり減りました。
自転車便などの人はキチンとしている人が多い印象ですが、それ以外の人、特に単独で動いている人はまずしていない印象です。
タクシードライバーでもキチンとしている人もいますが、していない人もいます。
大型のスーパーやショッピングモールなどでは今でも入り口でマスクのチェックはされます。
ですが、以前のように体温を測ったりとうのは強制ではなくなりました。
一応機械は置いてあったりするのですが、誰も使っていません。
係の人も素通りして何も言いません。
そして、入り口でのチェックを越えた後、中でマスクを外している人もちょこちょこ見られます。
そういった人を注意する係の人も特にいないません。
そして、飲食店やカフェなどではもはや入り口からしない人も結構多いように思います。
ちゃんとしたところでは店員がキッチリマスクをしているところもありますが、ローカルな店ではしていたりしていなかったりするというところもあります。
現状、ミャンマーの検査制度も日本ほどしっかりとは出来ていないのでどれだけけ正確な統計が取れているかはわかりませんが、軍傘下の保健省のデータでもPCR陽性者などは多くないようです。
そもそもですが、コロナに罹患した場合、病院に行くという一般人が少ないと思います。
現状の医療体制で一般人が近くの病院で良い診療を受けられると誰も考えていないからです。
PCR陽性反応が出てしまえば、まともな治療が受けれそうにもない隔離施設に送られてしまう訳ですから、重症化しないであろう今のコロナなら自分たちで治すといった選択を取る人がほとんどのようです。
もともとこういった時に必要なデータをキチンと出すことができないミャンマーの弱さがあります。
それでも、もしまともな施政が行われていたなら、医療体制が弱いながらも犠牲者が少なかったのが何故なのか、日本や世界に対しても有用なデータや情報が出せたのではないかと思われると本当にクーデターが悔やまれます。
軍のコロナ対策は本当に白々しく響き、それを励行しようという国民の意識は感じられません。
ましてや去年のパンデミックの際、軍もパニックを起こしたのか、まさかの酸素供給制限もありましたから、国民は何の期待もしていない事でしょう。
そんな中でも沢山のミャンマーの人々は助け合いながらなんとか乗り越えていこうという姿勢が見えたのは本当に美しい国民性だなと思いました。
さて、いかがだったでしょうか。
凄く大雑把にまとめると、現状ヤンゴンではアフターコロナの雰囲気は漂っているが、先進国と違い医療に脆弱性のあるミャンマーではもしまたパンデミックが出た時の対応には大いに不安があるという状況だと思います。
あくまで私の所見です。
何分正確なデータが出回っていないので今後の情報収集や分析結果などが出るのが待たれます。
ご参考までに。
それではまた明日。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
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