World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

水祭りを終えてミャンマーの「今」と「今後」について想う事、感じる事

静かなヤンゴンダウンタウンの水祭り時期の様子、この写真を撮る筆者の後ろでは軍が銃を構えて警備をしていた

皆さんこんにちは。
ミャンマーから新町がお送りしております。
今月最後の投稿になります。
今回は昨日参加させてもらった「映画を観て、ミャンマーを知るvol.2」の感想や今私がミャンマーとの今後についてぼんやりと考えている事などをお伝えさせていただけたらと思います。
本当にとりとめもない文章になると思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

その前にお知らせです。

4月16日より「映画を観て、ミャンマーを知るvol.2」が全国で開催されます。
昨年の新藤兼人賞、日本映画批評家大賞「新人監督賞」そして大島渚賞などを受賞された藤元監督の新作短編映画「白骨街道ACT1」とデビュー作「僕の帰る場所」の上映を含めたミャンマーのイベントです。

2.jpg

詳細は藤元組公式HPにも掲載されています。
https://fujimotofilms.com/myanmar

さて、昨日までお知らせしておりました、「映画を観て、ミャンマーを知るvol.2」イベントにて映画上映後の舞台挨拶させていただきました。
現地の映画館と私の部屋をzoomで繋いでお話をしたのですが、会場のカメラでスクリーン一杯に自分の顔が映し出されるというなんとも不思議な体験ができました。

スクリーン大写し.jpg

長野県上田映劇にて


私からのお話と会場の方からの質問に答えたりと少しだけ交流などをした30分間でした。
その時に質問された内容が非常に印象的でした。
これまでも色々なところで話をする際に質問などで「ミャンマーの為に何かできることはないか?」と聞かれることがよくありました。

あまりにも大きな問題の前に一人の人間として何をして良いのか途方にくれてしまうという感覚は皆さんあると思います。
そんな時に私はいつも、大きなことは狙わなくて良いのであなたの近しい人に今日感じたミャンマーの事などの話をしてみてくださいと声をかけます。
現状、クーデターの事に限らずミャンマー自体の事を知るひとがまだまだ少ないのが現実です。

何となく聞いたニュースより近しい友人、知人、親族から聞いた話の方がより印象に残り、そこからもしかするとよりミャンマーを大事に想ってくれる人になるかもしれません。
そういった身近な人とミャンマーの話をするというところからお勧めすることが多くありました。
ですが、今回はこのようなイベントに参加するという事もあり、その段階を超えて次に何をしたら良いか?という質問をいただいたのです。

なるほどと思いました。
考えてみれば、私はこれからミャンマーの為にという人たちに沢山話をしてきたので次の段階の人からもアドバイスを求められるような立場になったんだなと。
そう思った瞬間に次のアドバイスはもう決まっていました。

「あなたの近くのミャンマー人を探して是非交流してみてください」

以前ここでも書きましたが、私は長野にある「ミャンマーの民主化を応援する信州の会」というのに立ち上げから参加させていただいています。
今回はそういうご縁もありその他の会場の案もあった中、長野の会場を選ばせていただきました。
その信州の会で聞いた話によると長野にも230名ほどのミャンマー人が住んでいるそうです。

そしてその多くは留学生などの若い方です。
是非ともそういった方と交流する事で色々と得られることもありますし、その質問者の方がおっしゃっていた更なる支援というのも形が見えてくるとお伝えしました。
引き続き長野でも全国でもこのイベントは続いていますので是非足を運んでみてください。
そしてその体験を皆さんの大切な人と共有していただけたらと思っています。

海外の話題という話になると今日本ではやはりウクライナ一色になっていると思います。
私たちミャンマー関係者の日本人や、在日ミャンマー人の方々の間でもその対応の差に思う事は色々あります。
実際不満の声も沢山漏れてくるのはしょうがないと思います。

ただ、私はエンタメに関わる人間だからか、そこまでこういった事態に悲観的には見ていません。
これが日本におけるミャンマーの現在地なのだとキチンと認識する事が、今後の事を考えるのに非常に大事だと改めて思っています。
大事なのは「何故差があるのか?」という事をキチンと因数分解することだと思います。
そこには必ず原因があります。
それは政治的な事、経済的な事など様々な事が原因になっているでしょう。

沢山の原因が複雑に絡まっているとも思います。
中にはどうしようもない原因もあると思います。
そしてそれは少なくないかもしれません。
ですが、キチンと分析した結果、ミャンマー問題にも応用できるようなことも少なくないと思います。
それを具体的に自分たちの活動に取り入れることができれば日本におけるミャンマー問題の認知もあがるはずです。
更に言うと去年ミャンマーがセンセーショナルに取り上げられた影で取り上げられなくなった世界の紛争のニュースなどもあったはずです。

今こそ頑張りどきだなと本当に思っています。
それはただ、ミャンマーの現状を伝え大変さをアピールする事だけではなくミャンマーの素晴らしさを同時に伝えていくことなんだと考えています。
希望はまだまだあります。
何より、本当に大変なミャンマー国内の人たちに諦めの色はまだまだ見えません。

恐らくここ近年で今がミャンマーにとってもっとも辛い時期ではありますが、間違いなく底であるとも言えます。
つまりこれからは上がるばかりという事です。
株価で言うと今が正に底値な訳ですからここに手を付けない手はないというのはあまりにも前向き過ぎる考え方でしょうか?

経済はもちろんエンターテインメントの面でもミャンマーはこれから復活していく地力をしっかり残していると思います。
これだけ大きな紛争が起こりつつも私のような外国人が安全に過ごせているのもその一つの証拠ではないでしょうか?
決して万事安全という訳ではありませんが。

これからもエンタメに関わる人間として、この国を表から裏から盛り上げていきたいなと気持ちをあらたにミャンマー新年を迎え頑張っていきたいと思います。
ようやく動き出したことについては来月の記事で皆さんに少しずつお伝えできるかなと思っています。
日本の大手出版社を巻き込むような話なので興味深い話かと思います。
遠いミャンマーで奮闘する日本人の心意気を感じてもらえるよう動き続けますのでお楽しみに。

それではまた。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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