World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

三度目のJAM THE PLANET出演ミャンマーヤンゴンより今夜生放送

サイレントストライキが終わった直後のダウンタウンの様子

皆さんこんにちは。
ヤンゴンは涼しい日々が続いています。
日本は今が最も寒い時でしょうか?
こちらは凄く過ごしやすい気候です。
毎日停電などが起こり生活は不便なところもありますが、私は何とか変わらない生活が出来ています。

勿論以前、クーデターより前と同じとはいきませんが。

今回はタイトルの通り、昨年末の放送に続きJ-WAVE、JAM THE PLANETに出演させていただくことになったというお知らせがメインです。

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私は20時頃出演の予定です。
是非ラジオは勿論インターネットからも聴く事が出来るので沢山の方に聴いていただければと思います。

今回は2月1日でクーデターより1年を迎えたヤンゴンでの様子などをお話しようと思っています。
放送内では僅かな時間の為、現地で私が見聞きしたこと、感じた事に絞ってお伝えしようと考えていますが、このワールドボイスではラジオで話そうとしている「今」のミャンマーが更に理解しやすくなるように、補足情報などを書いていきたいと思います。

昨2021年2月1日、前年の総選挙で選ばれた国会議員や大統領を含む閣僚を多数拘束した軍のクーデターが凶行されました。
その後現在に至るまでクーデターに反発するデモ活動などを行っていた一般市民が1500人以上軍により虐殺され1万人以上の人々が不当に拘束されているのが今のミャンマーです。

この数字は確実に調べがついているものに限られ、実際の犠牲者はこの限りではないとみられています。
クーデター後にありとあらゆる国力は弱まる事になり世界銀行は2021年度~2022年度の経済の成長率がマイナス18%になると予測しました。
30万人を超える国内外の難民が発生し、今後数百万人単位で飢餓状態になる国民が出ると国連が発表しています。

大きな困難に直面しているミャンマー国民ですが、これまでに起こったクーデターや度重なる軍の民主化運動の弾圧にも負けず歴史上に記録されていない程、長期間抵抗を続けています。

そんな中、クーデターより1年を迎えるに辺り、SNSなどを中心にこの2月1日にミャンマー全土でのサイレントストライキを行おうという呼びかけがありました。
サイレントストライキというのは軍に反意を示すために出来うる限りの社会活動を停止させることです。
昨年の12月10日にも、世界人権デーに合わせてミャンマー全土で行われました。

どちらかというとこの活動は消極的に感じるかもしれません。
しかし、現状ミャンマーは日本で当たり前に行われるようなデモをするのは容易な事ではありません。
冗談ではなく命懸けになるのです。
昨年のクーデター後、国民は非暴力で平和的な抗議デモを様々な形で行いました。
世界へアピールする為多種多様な工夫をこらした形でのデモでした。

しかし、そんな武器を持たない国民のデモを軍は実弾を持って弾圧を始めたのです。
こうして、デモに出れば命を失うという日本では考えられないような事態がミャンマーでは当たり前に起きるようになりました。
しかも、国民を守るのが仕事の軍や警察によってです。

事態はデモが実際に行われた際の弾圧だけではありません。
現在22時~4時までは外出規制が敷かれています。
外を出歩く事が出来ません。
その時間を狙って、警察や軍が国民を拘束しにきます。
勿論逮捕状などはありません、デモに加担したと疑われた者、そういった密告があったものを多数捕えていくのです。

ある人は多額の賄賂を払わされたり、拷問を受けたり、場合によってはそのまま殺される場合もあります。
拘束された次の日の朝、家族のものに遺体を引き取りたかったら金を払えというような信じられない連絡が来る事もあります。

このような現実があるミャンマーに置いて、軍に対する反意を示すのも簡単ではありません。
そこで考えられたのがサイレントストライキです。
これは、今ミャンマーで行う抗議活動としてはある意味の完成形だと私は考えています。
上記にあげたような身心へのリスクを最大限抑えながら、ミャンマー国民同士、そして世界へ向けて意思を示す事が出来るからです。

勿論、それだって容易ではありません。
想像してみてください。
例えば実際にはそう多くない人が行っているデモ行進などをさも多くの民衆が集まっているように見せるのは場合によっては可能だと思います。
国全体で社会活動が止まっている様子を意図的に作ることがどれだけ難しいかおわかりいただけると思います。

前回のサイレントストライキは大成功に終わったと思います。
街からは人が消え、いつもの喧騒が消えました。
今回は一体どうだったか?

軍は2月1日が来る前から対策を行いました。
サイレントストライキに参加したものは罰するなどの発信、街宣車で当日店を閉めないようになどの放送など行いました。
前回、ストライキで営業しなかった市場などには次の日に軍が数十人訪れて、営業妨害したりという事まで起こりました。

ただ、社会活動を止め、静かにするだけというのがこれほど難しくなるとは考え難いことです。
果たして今回はどうだったのか?

本日のJAM THE PLANETの生放送で2022年2月1日、ヤンゴンでのサイレントストライキの様子を皆さんにお伝えしたいと思います。
是非お聴き逃しなく。

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番組では私の方からミャンマーの若手アーティストの曲も紹介します。

世界遺産にも選ばれたミャンマーのバガンの風景を取り入れた素敵なミュージックビデオです。
このPAST12というミャンマー人アーティスト。
知り合いのDJに曲を紹介してもらったのですが、何と6年前に私がボーカルレッスンを行っていた生徒と知り合いだった事がわかりました。

長くミャンマーにいるとビックリするような事が起こりますね。
こうした縁が繋がっていくのも運命的な事だと感じています。
今日の放送では、今回紹介したのとはまた別の曲をお届けします。
素敵な曲が多いので、是非他の曲もチェックしてみてください。

それではまた。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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