ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々
シンガーソングライター「すわじゅんこ」さんの活動とミャンマー関係者の苦悩
皆さんこんにちは。
相も変わらず雨季のヤンゴンから新町がお届けしております。
ふとした時に蟻が身体をはっている時があります。
こんな事、日本では有りえないなどと思うのですが、ふと「いやそんなことは無いな」と思い直します。
東京で一人暮らしを始めた時は築40年の木造アパートの1階だったのでアリはおろかネズミも走りまわってましたし、実家暮らしの時もどこからともなくアリはやってきていました。
つまり、住めば都だなと。
そんな今日この頃です。
さて、本題です。
皆さん歌手のすわじゅんこさんはご存知でしょうか?
ミャンマーで活動している日本人歌手の中で、間違いなく最も人気のある方です。
彼女のミャンマーでの偉業は上げだすときりがないので気になった方は是非色々とチェックしてみて欲しいのですが、とりあえず一番最近の偉業を紹介します。
それはミャンマークーデターにより苦しむ人たちへの応援ソングの動画です。
この動画は彼女の公式FBページにアップされると瞬く間にシェアされていき100万回再生をあっという間に突破しました。
今日現在126万再生を数え、更に日に日に再生回数が増えています。
現在ミャンマーでは軍の情報規制により、フェイスブックはVPNを繋ぐなどしないと使用する事はできません。
そんな中、この数字は驚異的です。
どれだけ沢山の方を勇気づけ、元気づけたかのかと考えると本当に本当に凄いことだなと思っています。
クーデター以降、ミャンマーに深く関わる関係者だからこその苦悩があったと思います。
どんなに酷い事が行われていようと迂闊に声を上げる事はできません。
例え、今本人が、ミャンマーにいなくて危険がなかったとしてもです。
何故なら、スタッフやその家族など関係者であるミャンマー人の方々は今もなお危険と隣り合わせの現地で暮らしているからです。
海外であってもミャンマーに関する発信は全てチェックされてると言います。
慎重にならざるを得ません。
現地の関係者の事を想いつつ、一体どのような発信をし、どのような活動をするべきかを考えた末、すわさんは
【一人でも多くの日本人にミャンマーの現状を知らせること】
のために活動を再開しました。
この応援ソングもその活動の一環です。
コロナで大変な中、オンラインは勿論、オフラインでも様々なミャンマーへの認知活動、支援活動を続けています。
さて、そんなすわじゅんこさんと初めてお会いしたのは今から約5年前2016年のことでした。
ミャンマーで活躍する日本人歌手がいるとある方から紹介され、私が日本に一時帰国するタイミングでお話しをさせていただきました。
お互いのミャンマーでの活動などの話などで盛り上がり、是非色々と協力させてくださいとお声がけしたのを今でも覚えています。
すわさんはひょんなキッカケからSNSによってミャンマーでブレイクしました。
その事も凄い事なのですが、彼女の真の凄さはその後です。
いくらブレイクして認知度が上がったとしても、それだけで未知の国ミャンマーへ行こうと思うでしょうか?
少なくとも私は行きません(笑)
ですが、彼女は単身ミャンマーに乗り込み、ミャンマー最大のお祭りである「水かけ祭り」のステージに立つのです。
様々な地域のステージに立ち、何万人というお客さんを沸かせていきます。
その後も様々な活動をされていくのではありますが、ここで語り出すとどれだけページがあっても足りないのでまたの機会にさせてください。
オフィシャルHPには各種SNSなどのリンクもあります。
今後の活動も是非チェックしてみてください。
「すわじゅんこ オフィシャルウェブサイト」
そしてもう一つ動画を紹介。
この動画は2018年4月に行われたミャンマー最大のお祭り「水かけ祭り」に出演した
際のインタビューや舞台裏映像と「心のふるさと」ミュージックビデオです。
すわさんのようにミャンマーの為に何か活動をしたい、発信をしたいと考える方でも、ミャンマーに関わりが深ければ深い程、様々なリスクがあり、発信自体が難しくなるという事を皆さんに理解していただきたいなと思っています。
仮に本人や団体が政治的な意味を一切持たない人道支援という形で今のミャンマーに支援しようと考えていても、それが認められない場合があります。
人道的支援しているNGOがミャンマーでの活動を出来なくされてしまうという事態まで起こっています。
活動にも発信にも細心の繊細さが求められます。
社会的に影響力を持っているのであれば、それが芸術であれ、ビジネスであれ政治であれ、責任を全うしなければならないというのはわかります。
ですが、ミャンマーだけではなく世界を見回すとこのような紛争の場合、問題はそう単純ではないのだなと、私も当事者となって実感しているところです。
ましてやすわさんのように影響力のある方は、なおさら苦悩も大きいのだろうなと察しています。
ミャンマーを取り巻く環境も一筋縄ではありません。
きっと皆さんや私が思っている以上に複雑な問題になっています。
勿論、現地にいるからと言って私にも全てはわかりません。
心無い言葉が民主化を望む沢山の国民たちの心を傷付ける事があります。
今の日本では考えられないような理不尽がミャンマーにはあり、ギリギリのところで踏ん張っているミャンマーの人たちの心を折るのはそんな一言かもしれません。
皆さんもニュースなどを観て色々思うところはあると思いますが、どうか優しく理解ある発言をしていただけたらなと願っています。
8月15日の終戦の日を過ぎ、改めて世界の争いについて考える日々です。
一日も早い平和の為、私も出来る事を続けていきたいと思います。
このような発信を続けさせてもらっているお陰でミャンマー関係の様々人たちと縁を持つことが出来ました。
私はミャンマーにいる身なので日本の方々と一緒にイベントをする事は出来ませんが、そうやって新しく知り合っていった方とこれまでにご縁をいただいている方とを繋いでいくことは出来るなと思っています。
すわさんの日本でのミャンマー関係のイベントなども企画していきたいと思っています。
その時はまたお知らせさせていただきます。
どうかよろしくお願いします。
それではまた。
著者プロフィール
- 新町智哉
映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。
Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan