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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです

RIKAママ|フランス

世界最大のチョコレートの祭典 サロンドショコラで日本も大躍進

今回のサロンドショコラで最も洗練されたチョコレートに与えられる賞を受賞した日本のショコラ 筆者撮影

フランスには、数多くのスイーツがありますが、おそらくその中でも群を抜く人気があり、またフランス人の最も身近に存在するスイーツは、チョコレートではないか?と思っています。朝食にパンに塗って食べるチョコレートクリームのようなものは、たいていどの家庭にも1つはありそうだし、子供のおやつにバゲットに板チョコをはさんで・・なんてこともあるし、また、ノエル、バレンタインはもちろんのこと、数々の行事があるごとに、チョコレート屋さんは、お色直しをして、その行事にあったチョコレートを大々的に売り出します。

フランス人の家を訪れるのに、手土産に迷ったら、ちょっと良さげなチョコレートにしておけば、まず間違いないと思うくらいです。

実際にフランス人のチョコレート年間消費量は、30万トンと言われており、これは、一人あたりにして、7.3キロに相当します。私自身も年間7キロとは言わないまでも、フランスに来てから、俄然、チョコレートをよく食べるようになりました。

そんなフランスでは、毎年、世界最大のチョコレートの祭典「サロンドショコラ」が毎年、行われていますが、これは、1995年から続いており、毎年、この広告が出回り始めると、「あ~もうそんな季節か?」と思いつつ、一度は、行ってみようと思いながら、長い間、ずっと逃してきました。

サロンドショコラにエスパスジャポン!

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気になりつつも、ずっと行きそびれていた私の重い腰をあげたのは、「どれどれ?今年のサロンドショコラはどんな感じなんだろう?」とこちらのサロンドショコラに関する記事に目を通していたところ、その中に、「日本のチョコレートは意外にも美味しい!」というものがあって、「意外にも・・ってなんだよ!」と、ちょっとムッとしつつも、結局は褒めてくれていることがちょっと嬉しかったりもして、そのフランス人が「意外にも美味しい!」というチョコレートとはどんなものなのか?と行ってみることにしたのです。

実際、「意外にも・・」と言われて、少々、ムッとしつつも、例えば私が日本に行った時にわざわざ日本のチョコレートを食べるか?と言われれば、やっぱりそれはないことで、チョコレートなら、フランスで充分に美味しいものもあるし、他に日本には、数えきれないくらい食べたいものがあるので、チョコレートを食べている胃の容量の余裕がないというのが正直なところなので、まあ、私の中にもそんな気持ちがないわけではありませんでした。

しかし、会場に行ってみると、中には、日本の国旗がたなびく「ESPACE JAPON エスパスジャポン」なるスペースが設けられていて、日本のブースのようなものができていました。

今回のサロンドショコラには、200店舗以上が出店していますが、やはり、その多くはフランスが占めるものの、その中でもこのエスパスジャポンのスペースだけでなく、会場のあちこちに日本のショコラティエが出店しており、その数は10店以上に上ります。もちろん、すでにパリに店舗を構えているお店もありましたが、他のアジアの国のお店はほとんどお目にかかれない中(台湾は一店見かけた)、お話を伺ってみると、日本の各地(静岡や新潟、東京などなど)からこのサロンのためにいらしていて、それぞれに個性的で、フランス人にはもう定着したテイストの一つとなった抹茶やゆず、お味噌、麹、お豆腐などを盛り込んだ美しいチョコレートがまた、フランス人好みのパッケージなどに包まれて並べられていました。

もともと食文化のレベルは非常に高いと思う日本の製品。また日本人の器用さ、丁寧な仕事、創意工夫の巧みさ、極める職人気質とも言われる仕事ぶりは、世界に向けて胸を張れるレベルのものであるし、それがチョコレートという舞台においても見事に活かされているのだと思いました。

IMG20231030140846.jpg今回、栄えある賞を受賞された日本人シェフ 写真をお願いしたら、ニッコリ応じてくれました  筆者撮影

こうして海外で生活していると、日本が世界の舞台に進出してきて、少なからず評価されていることは、大変、嬉しいことで、どちらかというと自分の評価に自信がなく、ともすると臆面もなく?「よく、そこまで自分で言うなぁ・・」と思うほどアピールしてくるフランス人などに比べると、よく言えば、謙虚な日本人がこうして世界にアピールできる場に登場してくることは、大変、喜ばしい、意味のあることであると思います。

幸いにも、フランスでは、「日本のもの」というのは、その製品の確かさだけでなく、どこか、ふわっとした「ワンランク上で上質なもの」というイメージがあり、フランス人の、特にセレブな方々には、インテリアに日本画を飾ってみたり、やたらと高級な日本食レストランにあらわれて、やたらと講釈を垂れてみたり、どこか日本文化に対する畏敬の念に基づくある種のステイタスを満たすもののような存在であることは、大変、光栄なことでもあります。

こうして考えてみると、日本におけるフランスのイメージも恐らく似たようなものがあり、逆にフランスにおける日本のイメージもまた、ハイレベルなもので、それがいつのまにか、フランスには根付いているのです。日本人にとっては、当たり前すぎて、日本ではあまり評価されないものが、実は海外から見れば、非常に尊ばれているもので、日本はこの日本文化をもっと世界に堂々と推し出して行ってもいいような気がしています。

しかも、この日本の上質なイメージを好んで手にしようとしている購買層はセレブな人々、日本にとっては絶好のマーケットです。これを利用して、海外で評価されたものを逆輸入のような形をとれば、日本国内での市場も拡大します。

サロンドショコラで国際支援の試みも見せている日本

サロンドショコラ ギニア.jpg

つい先日、X(旧Twitter)で、「岸田政権は発足以来、30兆円のお金を外国に送っている!」と憤慨している投稿を見かけました。その金額はもちろんのこと、この国際支援のお金の使い方には私も大いに疑問を持っているところです。以前、私がコートジボアールに住んでいた時、私が日本人だと知って、夫の職場の方が「日本の支援で建設中の病院があるよ!」と、その病院に連れて行ってくれたことがありました。病院の建設地には、大きな看板に「日本・コートジボアール COOPERATION」と書いてあって、「全然、コオペレーションじゃなくて、一方通行じゃないか!」と腹立たしい思いをしたことがありました。そして、さらには、この建設途中の病院は、病院運営の目途がたたないために工事が中断(中止)されていることを聞いて、さらに私は日本の国際支援のお金の使い方に「国民の税金だろ!」と憤慨した覚えがありました。

そんな微かな記憶が残っている私がこのサロンドショコラに出ていた日本ブースの一つに、ギニアの人々にカカオの生産を指導して、チョコレートの生産を促している tachibanaという日本企業とJICA(国際協力機構)と兼松の共同事業をアピールしているものがあり、大変、興味深く話を伺ってきました。

国際支援は必要なものではありますが、ただお金を出せばよいという生易しいものではなく、発展途上国の人々が自分で働いて生活を成り立たせていくことを支援しなければ意味はなく、結局は教育の部分が重要で、いつまでも支援を受け続けるのではなく、将来は自立していけるようになることを支援することにあると思っているので、この試みは非常に素晴らしいことであるのではないかと思いました。華やかなサロンドショコラという祭典の中で、このようなブースはマイナーな存在ではありますが、それでも、カカオを通じて、日本はこのような試みもしているということに、大変、感銘を受けました。

どのようなカタチにせよ、日本は世界に向けて日本をアピールしていく場にこれからもどんどん進出していくべきで、サロンドショコラを通じて日本のことを考えた一日となりました。

 

Profile

著者プロフィール
RIKAママ

フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。

ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」

Twitter:@OoieR



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