スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~
最新版インドのスタートアップ・エコシステム概観・後編(2023年12月)
2.インドのスタートアップ・エコシステムとの付き合い方
章立てしてみたものの、基本方針や、やることはあまり変わらないような気がしています(笑)
あと、今ならではの出来ることは、ジェネシアの相良さんがXでも仰っているように、「普段は会うことのできないスタートアップと会う」ということでしょう。
<Xリンク&コメント引用>
インドにおける'23Q1の資金調達は金額ベースで前年同期比75%の落ち込み。新規参入するVCとしてこの一瞬だけ空いたwindowを逃すまいと着の身着のままやって来ましたが、昨年一昨年のbull marketでは巡り会えなかったであろうレベルの起業家ともopenに会話でき、改めてwhy nowの重要性を実感しています。
https://x.com/snsk_sgr/status/1697119642308030673?s=20
(1)「インドへ進出するのは今!」、「今インドで起業しないと先行者利益を取れない」は別に真に受けなくてOK。:インドに進出&起業するかどうかは、皆さんの海外戦略次第なので、タイミング不一致、人材不足、資金不足という状態ならば、今すぐに進出しなくてもよいです。というか、インドで起業すると単なるインド法人になってしまい、デメリットだらけです。こちらの記事も参照願います。インド・スタートアップ備忘録:ビジネス円滑化のための追加視点|スタートアップ超大国 インド~ベンガルールからの現地ブログ~|World Voice|ニューズウィーク日本版 (newsweekjapan.jp)
(2)「インドは主語が大きすぎるので一概に語ることができない。」も考えものです:自分なりにインドという単語を分解して自分の戦うフィールドで分析できない限りは、インドを活用することは不可能です。この手の「インド主語大きすぎ問題」は分析を怠るフレーズにしやすいので、注意が必要です。かといって「大雑把」すぎるインド定義もミスを生みやすいので、注意しなければいけないです。
<気を付けるべきこと>
(1) ライトパーソンに出会うまでは試行錯誤を繰り返して「感覚」をつかんだほうがいい:極めて玉石混交であるので、自社の戦略に合わせてくれる人、理解してくれる人に合わないと振り回されてしまいます。
(2) アジェンダとメリットを明確に:相手に会ってもいいかなと思わせたらマネジメントクラスでも会ってもらえるはずです。繰り返しになりますが、挨拶アポは厳禁です。
こんな感じで前編後編と長くなってしまいましたが、最新版の概観とどうやって付き合っていくべきかを紹介しました。引き続き現場の感覚や状況をご案内できればと思います。
著者プロフィール
- 永田賢
Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。
Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/