アルゼンチンと、タンゴな人々
2022年W杯決勝直前のアルゼンチンから現地リポート
個人的には、今回が2014年から数えて3度目となるアルゼンチンで経験するW杯なのですが、この異様なまでの盛り上がりは過去に例を見ません。
W杯開催前から、ショッピングセンター、飲食店や小売店、どこへ行ってもこんな風にアルゼンチンカラーに染まっているところばかり。ベランダに国旗を掲げている様子も多く見ます。
願掛けや縁起を担ぐのも大好きなアルゼンチン人。「試合の前にこれまでの習慣を変えてはいけない」という考え方が定着しており、例えば試合を見るのはこれまでと同じ場所で同じように、今まで着ていなかったのに途中から急にユニフォームを着て観戦したりしないように、準決勝/決勝だからと言って何か特別なことをしようとはしてはいけない!など、それぞれにこだわりがあるのも面白いです。
決勝戦目前。勝っても負けても、どうやらブエノスアイレスの街の中心部は大きく通行止めになり、集まる人の数はこれまで以上になることが予想され、地下鉄やバスも一部ストップすることがアナウンスされています。
(また、勝った場合には翌日月曜日は祝日になるのでは、とも噂されています・・・。)
アルゼンチン戦以外でも、沢山のドラマがあり、笑ったり泣いたり、アルゼンチンで思いっきり楽しんだW杯が終わってしまうと思うと寂しい気持ちもあるのですが、ここまで来るともう勝って欲しいというよりも、とにかく試合を楽しんでほしいという気持ちで一杯です。ありがとう、がんばれ、アルゼンチン!!!
著者プロフィール
- 西原なつき
バンドネオン奏者。"悪魔の楽器"と呼ばれるその独特の音色に、雷に打たれたような衝撃を受け22歳で楽器を始める。2年後の2014年よりブエノスアイレス在住。同市立タンゴ学校オーケストラを卒業後、タンゴショーや様々なプロジェクトでの演奏、また作編曲家としても活動する。現地でも珍しいバンドネオン弾き語りにも挑戦するなど、アルゼンチンタンゴの真髄に近づくべく、修行中。
Webサイト:Mi bandoneon y yo
Instagram :@natsuki_nishihara
Twitter:@bandoneona