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その日、或る移民が思うアメリカ

中島恒久|アメリカ

アメリカ人に帰化するという事と日本国籍を喪失すると言う事 其の一


日本人がアメリカ市民に帰化をしない理由は2つあるのでは?と考えています。

1. アメリカに家族を呼び寄せる必要が無いから
2. アメリカ市民に帰化をすると日本国籍を喪失するから

1番については、もちろん戦前には日本人がハワイ、南米、アメリカなどへ家族と共に移民していった歴史はありますが、現代では住み慣れた日本を離れて家族ごとアメリカに移住しようという日本人は殆どいないのではないかな?と思います。他国出身の移民にとっては非常に大きいモチベーションになる家族の呼び寄せは日本人にとってはモチベーションにならないのだと推測します。ただ、配偶者に永住権を取ってあげたいという人は市民権を取得していますね。しかし、それ以外の場合に帰化したいという思いがあっても日本人のアメリカ市民への帰化を踏みとどまらせる要因は2番では無いかな、と思います。

日本の国籍法は単一国籍が原則となっていて、日本国籍を有する者が自己の志望により外国籍を取得した場合には自動的に日本国籍を喪失する(国籍法第11条)となっています。日本人として生まれ育ってきた人に取って、日本国籍を喪失すると言うのはアイデンティティまで喪失しかねない事柄になる場合もあります。日本国籍を失うくらいならアメリカの市民権はいらないという気持ちはよくわかりますので、それでもアメリカ人として生きたいという思いが固まっている人が申請をすれば良いと思います。

最近だとアカデミー賞でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞したカズ・ヒロ氏、少し前だとノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏がアメリカに帰化していたと言う事で話題になりましたね。あとテニスの大坂なおみ選手の二重国籍の事とか、とかく日本では日本国籍を離れたり、他国の国籍を持っている人に対しての関心が高い様に見えます。人生において国籍を変える事が起こり得るという事や、国籍を(合法的に)複数持つ事が有り得るという事も一般的では無いと言うか、あまり認知されていないのかな、と推測します。

続いて筆者のアメリカ市民への帰化した体験を書いていきたいと思います。

Profile

著者プロフィール
中島恒久

海外経験ゼロからアメリカ永住権の抽選に応募して一発当選。2004年、25歳の時にアメリカ移住。ジャズベーシストとしての活動の傍ら、寿司屋の下働き、起業、スタートアップ企業、刃物研ぎなどの仕事を転々とした結果ホームレスになりかける。現在は日系IT企業の米国法人にてCOO。サンフランシスコ在住の日系アメリカ人の一世。

Twitter: @carlostsune

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