シリコンバレーと起業家
シリコンバレーに日本人起業家が増えてきた
──色々なアクセラレーターの名前がでてきました。少し解説してもらえますでしょうか。
内藤:個人的な意見ですが、アクセラレーターに入る一番の目的は、卒業後の資金調達です。アクセラレーターでのメンタリングを期待する人もいますが、私は米国での信用を得て次の資金調達をしやすくすることが全てだと考えています。アクセラレーターという分野で、現在最もブランドがあるのはY Combinatorです。昔の少数精鋭だった頃のYC(Y Combinator)と比べて、今のYCは質が落ちたと言われることもありますが、それでも現時点でアクセラレーターとして一番実績をあげているのも事実です。YCは、一律$120k(約1,200万円)を投資して、7%の株式を取得します。ブランドがあるので、もっと良い条件で資金調達ができるようなトラクションがあるスタートアップでも、YCに投資して欲しいがために、バリュエーションを下げてでもYCに入るスタートアップがあるほどです。
一方で、ジェイソンのローンチや、長谷川が入ったエンジェルパッドなどの少数制のアクセラレーターもあります。ジェイソンはすごく面倒見がよく、連絡したらすぐに返信をくれますし、聞けばアドバイスもくれます。経験上、少数制のアクセラレーターは、コスパがいいなと思います。ほとんどのアクセラレータは、卒業時にデモデーがあり、そこで多数の投資家にピッチをするという形式ですが、ジェイソンのローンチでは、毎週米国の有名なベンチャーキャピタルの投資家や、エンジェル投資家に会わせてくれて、個別にピッチをしたり、フィードバックが貰えました。自力では中々会えないような、シリコンバレーのコミュニティの中にいる投資家に直接繋がれたのは、少数制のアクセラレーターならではの利点だと思います。
著者プロフィール
- 内藤聡
Anyplace共同創業者兼CEO。大学卒業後に渡米。サンフランシスコで、いくつかの事業に失敗後、ホテル賃貸サービスのAnyplaceをローンチ。ウーバーの初期投資家であるジェイソン・カラカニス氏から投資を受ける。ブログ『シリコンバレーからよろしく』。@sili_yoro