今所有している無期限のE U市民の家族用滞在証（carta di soggiorno per familiare di cittadino UE）が、法の改正で紙製からI Cカードに変更になるために、２０２３年８月３日までにICカードに切り替えないと無効になってしまう。

　そのことは２年前から知っていて、記事にしたにも関わらず、わたしが去年の秋まで動かずにいたのは、イタリアでは法律の改正からしばらく経ってからでさえ、新しい手続きの仕方や必要書類が担当者まで伝わっていないことがあるためです。また、時々ペルージャ警察署のウェブページを確認していたのですが、いつになってもその変更の案内や、変更に必要な書類についての情報がないままでした。

　去年１０月１３日になってようやく重い腰を上げ、ペルージャ警察署のウェブページの案内に従って、わたしが今所有している滞在証の写真とその滞在証の種類を書いて、チャットアプリ、WhatsAppでメッセージを送りました。ところがその後、「処理しなければいけない書類の量が多いので、対応が可能となり次第、お返事します」という自動メッセージが警察署から送られてきたにも関わらず、そのまま数か月経っても、何の返事もありません。電話やメールで質問しようにも、そういう質問ができる電話番号やメールアドレスの記載がどこにもありません。

　これは返事を待っていては遅くなってしまうと考えて、以前に申請の際の必要書類を教えていただいた方に５月２０日に再び問い合わせると、６月９日にお返事があり、幸いその方は、警察署から返事を受け取られていたので、今回の変更に関しては、郵便局でまずはKitを受け取って、その中の申請書に記入をし、かつペルージャ警察署が必要なものとして文署に記しているものを提出しなければいけないことが分かりました。

　そうして、その後は、戸籍謄本が必要と分かって、ペルージャ市役所出張所まで行ったものの、サイトには予約が不要とあるのに、出張所前に並ぶ人たち皆に「予約が必要ですよ」と言われ、入り口にも「予約要」と書いてあるのでいったん無駄に引き返したり、申請書への記入方法が分からないので途方に暮れて、patronatoに支援を頼もうと考えたものの、予約が取れるのがはるか先だと分かってあきらめたり、必要なものをすべてそろえて駅前郵便局で提出しようとしたのに、「この申請は警察署でないとできません。だって、無期限なんてパソコンには入力できないもの。」と言われたりするなど、いろいろな難関が待ち構えていました。「警察署が、郵便局でKitを使って申請するようにと言っているのです」と言っても、「できません」の一点張りです。

　市役所出張所は、いったいどうやって受け付けてもらえばいいのか分からず困っているイタリアの人を、後日、わたし自身がようやく受け付けてもらえたときに、数人見かけていますから、市民がどう利用していいかが、不明瞭になっているわけです。

　駅前郵便局で受け付けてもらえなかったあと、わたしが最初に質問した方は、ペルージャの隣町の郵便局で申請をされていたので、遠方でもその郵便局まで行こうと考えもしたのですが、念のために、ペルージャ在住の他の方にも尋ねてみました。そうして、幸い、ペルージャでも中心街の郵便局では受け付けてもらえたとうかがったので、７月３日に仕事のあと、中心街の郵便局で申請してみました。そうしたら、窓口の女性局員はとまどっていたのですが、傍らにすでに何度か同じ滞在証の申請書を受理した男性局員がいて、その人があれこれ手助けしてくれたこともあって、無事に申請書を受け付けてもらうことができました。

　警察署への呼び出しは、書留郵便で届くそうです。今回の申請では、まずは警察署へのメッセージでつまずき、次に市役所出張所での戸籍謄本申請でつまずき、さらに最初に申請を試みた郵便局でもつまずきました。本来ならばすんなりと事が運びそうなところで、上手くいかないことはイタリアではありがちなのですが、最後の最後には、無事に申請書を受理してもらうことができて、本当によかったです。８月３日以降、現在のEU市民用家族滞在証が無効になってしまったあとは、郵便局の受領書があれば国内での生活に問題がないはずですから、受領書を探し出して、滞在証と共に携帯することにします。

　滞在証の提示を求められることなど、空港などではともかく、日常生活ではほとんどなかったのですが、先日電車でオルヴィエートへと向かっていたときに、乗り換え駅で巡視中の警察官に、身分証明書と共に、滞在証も提示するように言われました。やはりそういうときに慌てなくて済むように、日頃から携帯しておくべきものは携帯しておくと安心です。

　どうか申請した新しいI Cカードの滞在証が、できるだけ早く手元に届きますように。先日電話で教えてくださったペルージャの方は、申請から受領までに１年かかったとおっしゃっていましたから、ここでもやはりじっと待つことが必要であるようです。