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ヴァージンオーストラリアとANA、提携関係をマイレージプログラムへ拡大
ヴァージンオーストラリア航空と全日本空輸(ANA)が、2023年7月18日にパートナーシップ関係の拡大を発表。今回の発表には、コードシェア便やフリークエントフライヤーズプログラム=マイレージプログラムが含まれているが、多くの人が気になっているのがマイレージプログラムの提携ではないだろうか。
※ヴァージンオーストラリア航空とヴァージンアトランティック航空は、同じヴァージン系列ではあるが別会社なのでご注意を。
ヴァージンオーストラリアとANAのマイレージプログラム提携の現状
ヴァージンオーストラリア航空のマイレージプログラムは「ヴェロシティVelocity」と呼ばれ、オーストラリア国内では、身近なショッピング等でもヴェロシティ・ポイント(マイル)をためることができる。
気になるANAとの提携だが、今のところ、相互にマイルを貯めることができるだけにとどまっているようだ。つまり、貯まったマイルを相手先の特典に使用することはできない。例えば、ヴェロシティ・ポイントでANA便フライトの特典航空券を予約すること(またはその逆)はできないのが現状だ。
両社の運賃別マイル積算率は以下の通り。※2023年8月時点(注意:必ず公式ページで最新情報を確認してください)
◆ANA側(公式ページ)
◆ヴァージンオーストラリア側(公式ページ) ※便名が「NH(ANA)」または自社便名「VA」かによって積算率が異なることに注意。
現時点では提携先の特典利用には使えないものの、ヴェロシティ会員は、ANA便利用でも会員ステータスのレベルアップに繋がるステータスクレジット・ポイントを獲得できるというメリットがある。さらに、シルバー会員以上の上級会員であれば、VA便名のANA運航便利用で、より多くのステータス クレジット・ポイント(ボーナスポイント)を獲得できるそうだ。(詳細)
また、ヴェロシティ・ゴールドまたはプラチナ会員は、ANA便を利用する際にチェックインや搭乗の優先のほか、受託手荷物許容量の追加といった優遇特典が受けられるメリットもある。
ただし、他社のマイレージプログラム提携では一般的な、提携航空会社間で可能となっている「ラウンジ」の利用は、上級会員であっても不可となっているのが残念だ。
ヴァージンオーストラリア航空は、ANAとの提携関係は今後さらに拡大する予定で、これらの提携についても近い将来実現できるとみているというが、詳細はまだ発表されていない。
期待されるヴァージンオーストラリア航空の国際線
ヴァージンオーストラリア航空は、2023年6月28日よりケアンズ~東京(羽田)間に直行便を就航させるなど、国際線の拡充に力を入れているところだ。
今回の提携拡大により、ヴェロシティ会員は、ANAのシドニー便(毎日2往復便)や10月29日運航再開予定のパース便(水・金・日の週3往復便)はもちろん、日本国内線のANA便でもマイルを貯めることができるようになり、また、ANA会員は、豪国内線でヴァージンオーストラリア便を利用することでマイルを貯められるというメリットが増えた。
この提携を記念して、現在、ヴェロシティ・フリークエントフライヤーズでは、会員が2023年12月31日までにANA運航便の東京~シドニー線を予約・搭乗した場合、 20%のボーナスポイントを付与するキャンペーンを実施中だ。
オーストラリア在住のヴェロシティ会員にとってはとくに、期待が膨らむこの2社の提携拡大。日本のANA会員にとっても、海外旅行のディステーネーションを考える上で、「オーストラリア」が大きな選択肢のひとつになるのではないだろうか。〈了〉
著者プロフィール
- 平野美紀
6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。
Twitter:@mikihirano
個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/
メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/