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シドニーのシンボル、ハーバーブリッジ90周年!もし違うデザインが選ばれていたら...3Dアニメで再現
『世界三大美港』のひとつ、シドニー湾の風景をより一層美しく魅力的なものにしているシドニー・ハーバーブリッジ。その形状から「コート・ハンガー」の愛称で呼ばれ、オペラハウスと並ぶ、シドニーの街のシンボルとして、市民からも観光客からも愛されている。
そのハーバーブリッジが、先週の土曜日、3月19日で90周年を迎えた。
#シドニー ハーバーブリッジが昨日で90歳に1923年7月28日に着工、1932年3月19日に公式開通。当時から世界最大のアーチ型鋼鉄製橋として、オペラハウスと共にシドニー湾をより一層、風光明媚にしているこの街のシンボル。Happy birthday Sydney Harbour Bridge! #SHB90
-- Miki Hirano (@mikihirano) March 20, 2022
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すっかりシドニーの顔として定着しているアーチ型の橋だが、もしかしたら、まったく異なるデザインになっていたかもしれないという。違う橋が架かっていたら、どんな景色だったのだろうか?
シドニー・ハーバーブリッジの概要
シドニー湾(正式名称:ポートジャクソン湾)に架けられたシドニー・ハーバーブリッジは、1932年3月19日に開通した。今日(こんにち)も変わらず、シドニー中心部と湾の北側のノース・シドニーを結ぶ主要ルートとなっている。
1923年7月に着工したが、建設当時から橋の上にレールを敷き、路面電車と車輛が通行できるよう設計。全長1,149 メートル、幅が48.8メートルを誇る、世界最大の鉄鋼製アーチ橋だ。2012年前半までは、世界一車線の多い橋としても知られ(*)、8レーンの車道と鉄道用線路、歩道が設けられている。現在の鉄道用線路は、路面電車用だった部分を転用したもので、8レーンある車道は、通勤時間帯の中心部への出入りに合わせ、上下線の車線数が増減するのも特徴だ。
(*)=2012年9月に開通したカナダのポートマンブリッジが、車線数10レーンとなり、記録を塗り替えられた。
他に6案あったハーバーブリッジのデザイン
ハーバーブリッジの構想は、1815年には既にあったそうだが、1900年になってようやく政府が、ハーバーブリッジの設計と建設のための組織委員会を設置。世界的なデザイン・コンペを実施したところ、70以上ものデザインが集まったが、そのほとんどが却下されたという。
最終的に、英国の建設会社ドーマン・ロング&コーが請負契約を結び、クイーンズランド州出身のエンジニア、ジョン・ブラッドフィールドの総指揮の下、約8年半の歳月をかけて完成した。これが、現在見られるハーバーブリッジだ。
採用されたデザインに関しては、ドーマン・ロング&コーとブラッドフィールドの間で、お互いが自分のものだと主張したことから揉めたというが、デザイン検討段階の最終案には、全く異なる6つのデザインが候補にあがっていたそうだ。しかも、最有力とされていたのは、今日見られるものではなかったという。
もし、ハーバーブリッジが今のようなアーチ型でなかったら・・・一体、どんなシドニー湾の風景が広がっていたのだろうか?
そんな好奇心を抱いたシドニーの映像制作会社が、これら6つの歴史に埋もれてしまったハーバーブリッジを美しい3Dアニメーションで蘇らせた。あたかも現実にそこにあるかのような、今とは異なるシドニー湾の風景を眺めながら、ハーバーブリッジの歴史に思いを馳せてみるのも、なかなかオツなものだ。
ハーバーブリッジは、建設に当たり、そのほとんどの資材を北半球から取り寄せたりしたことから、建設にかかった総額は、当初の予定額の約3.5倍に膨れ上がり、当時の金額で1,000万豪ポンドを超えたという。これは、日本円に換算すると60憶円以上にも上るともいい(旧通貨単位で換算レートが不明確なため、厳密にはよくわからない)、1988年にようやく完済したそうだ。こんなエピソードからも、途方もないプロジェクトであったことが容易に想像できる。(参照1, 2)
巨額の費用と年月をかけて建設されたシドニーのシンボル、ハーバーブリッジ。もしかしたら、別のシドニー湾の風景があったかもしれない...そう考えると、ちょっとワクワクするが、やはり、優美なアーチを描く今の橋が一番しっくりくるように思うのは、私だけだろうか... 〈了〉
著者プロフィール
- 平野美紀
6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。
Twitter:@mikihirano
個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/
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