ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情
「密」回避でイルミネーションにも影響が
人気のブリュッセルとブルージュに人出が集中、ライトショーは中止に。
クリスマスツリーに灯りがともって迎えた最初の週末、28日の土曜日、広場には大勢の見物客が訪れ、まさに「密」が発生してしまっていました。ベルギーでもGoToキャンペーンが10月から始まり、日本のように宿泊割引や地域クーポンはないものの、全住民に鉄道パスを配布して、半年間に渡り毎月ベルギー全土列車の旅が片道2区間(1往復)無料で出来る「Hello Belgium」 実施の真っ最中。ブリュッセル市民のみならず、国中からベルギーで一番立派なクリスマスツリーを見にやってきていたのでした。
De Grote Markt in #Brussel vandaag. Als dat maar goedkomt...
-- Stéphanie Romans (@StephRomans) November 28, 2020
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恐らく理由はこれだけでなく、ここ数年点灯式の際には幻想的なパレードが行われていて、中には同じ催しがあるのでは?、もし無くても代替のイベントがあるのでは?と期待した人々もいたことでしょう。
↓ 僕のブログ『ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記』から3年前のパレードの様子を書いた記事です。記事の中でパレードの動画がご覧になれます。
しかしこの結果、ブリュッセル市は翌日から広場のライトショーを停止。以来、現在まで時折色を変えたりはしていますが、ほぼ通常の白色のライトアップとなってしまいました。
また、クリスマス時期に訪れたい世界の街ランキングで毎年上位にランクインするフランダースの古都ブルージュ。街全体が世界遺産のようなブルージュでは、昨年から"Wintergloed"(英語で Winter Glow)「冬の輝き」という旧市街を巡って光のインスタレーションを楽しむというイベントが始まったのですが、今年も28日の夜から開催されました。
ですが、大変大勢の見物客が訪れたため、急遽翌日の日曜、そして翌週の土日も中止に。
ブリュッセルもブルージュもそれぞれの市長が「押し寄せないで!」と声明を出して呼び掛けるという有様。国内のどこからでも数十分から一時間ちょっとで陸続きの国境をまたげる小国のベルギー(九州ほどの面積)。気軽に隣の国へ出掛けて行くベルギー人もこの冬はそれも強い自粛が求められているため、国内の人気都市に人出が集中する事態が起きてしまったのでした。僕らもクリスマスは自宅で夫とふたりきり静かに過ごした後で、年末に掛けてブルージュに1泊2日の旅行を計画していましたが、現時点ではひとまず保留に。
ということで、今年のクリスマスは様々な制約がありますが、今年のみの我慢と心得て冬休み中の行動も状況を観ながら考えていくつもりでいます。
著者プロフィール
- ひきりん
ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。
ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記
Twitter:@hiquirin