ダイバーシティ先進国ベルギーから観る欧州 LGBTQI 事情
冬至の夜は灯りで窓辺を飾ろう!キャンペーン♪
ロックダウン中の孤独対策の側面も
コロナウイルス感染を拡大させないため、出来るだけ他人との接触を避けるよう家に籠ることが推奨され、それがもはや当たり前となってしまっていますが、それによりここベルギーでも隣近所と付き合いのない一人暮らしの老人や若者を中心に孤独・孤立が問題となっていて、今回のキャンペーンはそうした孤独対策への取り組みの側面も持っています。春のロックダウンの際にも、最前線でコロナと闘ってくれた医療従事者に対して、毎晩8時に拍手を送るというムーブメントがありましたが、あの時も拍手やBravo!!の声が通りに鳴り響き、住民同士の励まし合いや束の間の繋がりを感じることの出来る時間でした。
また、クリスマス当日や前後数日間はロックダウンの規制を緩和して例外的に10名までは集まれるとか、2家族までは一緒に祝えるという、周辺国に倣った措置も期待されましたが、ベルギー政府は当初の方針どおり(『withコロナ時代のクリスマスパーティーはどうなる?』)、同居する家族がいる場合にはもう1人を、シングル生活の人は同時に2人まで家に招き入れることが出来るという、ごく少人数でのクリスマスを過ごすよう改めて国民に要請しました。
本来なら大勢でワイワイ楽しく集うクリスマスの時期、近所の窓から漏れてくる灯りを通じて、一人でも多くの人に温もりを届けて、コロナ禍という「暗く長いトンネル」の先に一筋の光明が差し込むことを願いたいですね。
著者プロフィール
- ひきりん
ブリュッセル在住ライター。1997年ドイツに渡り海外生活スタート、女性との同棲生活中にゲイであることを自覚、カミングアウトの末に3年間の関係にピリオドを打つ。一旦帰国するも10ヶ月足らずでベルギーへ。2011年に現在の相方と出逢い、15年シビル・ユニオンを経て、18年に同性婚し夫夫(ふうふ)生活を営み中。
ブログ:ヨーロッパ発 日欧ミドルGAYカップルのツレ連れ日記
Twitter:@hiquirin