NYで生きる!ワーキングマザーの視点
ミュージカル女優、高野菜々がニューヨークでソロコンサート
前編に続き、ニューヨークでソロ・コンサートを行ったミュージカル女優、高野菜々のインタビュー続編。2月17日開催Don't tell Mamaコンサート会場の模様もレポート。
「ニューヨークで学んで、1年の間にかなえたいことというのが、春夏秋冬としてイメージしていて。
まずは春、こちらへきて種をまく。自分自身のスキルアップのため、インプットをとにかくやる。夏には、まいた種を育てる。インプットと同時に、自分の弱点に目を向けました。
秋は、ここからアウトプットすることで自分が成長するんだって思って。今年の秋ぐらいから。著名なブロードウェイ俳優たちが出演するライブ「ブロードウェイセッションズ」などライブイベントに出始めました。
冬、学んだものを形にして、感心してもらうのではなく、感動してもらいたいです。この一年の集大成として、2月17日にソロコンサートを行います」
そんな高野がソロコンサートにかける意気込みとは?
「NYで一年過ごさせてもらって、あらためて、自分自身の原点を考えるきっかけになったんです。いろんな国からいろんな人がきていて。たとえば、各国の政治について話をする機会があって、今もなお戦争が起きてる国の人たちから、『僕は...政治については話すことができないんだ』という、生の声を聞いて。日本にいたら知ることができないことを知りました。
そして、はじめて自分の所属する音楽座ミュージカルを、海外の視点から見ることができました。自分がこれからどうしていきたいのかクリアになって、これが演りたい・創りたいというものがみえてきました。
最後に、私の出身地である広島を知ってるという人たちは、こちらで多いのですが、でもいい知り方じゃないです。(広島は、原子爆弾を投下された場所としてアメリカで知られていることがほとんど)
以前、音楽座ミュージカルの作品で、戦争を題材にした作品に出させてもらっていたのですが、私自身が、戦争による被害を与えられた広島に思い入れがあったのかどうかを、考えさせられました。
今、広島というルーツをもった自分が何をできるのか。もっと世界に平和を、作品や私の表現を通じてもっと届けていきたいのです。 このオリジナル作品を見た人が、楽しいとか、うれしいだけじゃなく、心がゆさぶられたり、人生が変わるような作品をつくっていけますように。ソロ・コンサートもこの第一歩として、自分のルーツ広島をテーマにおいて演りたいです。
@音楽座
ソロ・コンサートはチケット売り切れの満員だった。私の隣に座っていたコリアンのカップルは、コリアンの恋愛ドラマにそのまま出てきてもおかしくないレベルのナイス・ルッキングな二人。コリアから来ている駐在員だという。ご主人は、「日本でいえばジェトロようなお仕事をしています」とまるでネイティブのように英語も流暢。二人とも英語が流暢なので、アメリカ出身のコリアンかと思っていたほど。
なぜコンサートへ?と聞けば、女性が「菜々さんとは、ブライアント・パークにあるニューヨーク中央図書館で、英会話を習ってたんですけど、そこで知り合いました。菜々さんは、いつも明るくてとってもいい女性で、パワーをもらえるんです。今回のステージにも誘ってくださったから、パワーをもらいに来ました。」
会場は、チケットの売れ行きもよかったため、テーブルを囲んで隙間のないくらいギッシリ詰め込まれた。
高野菜々、ソロ・コンサートでの歌声はパワフルで、パワーをもらえるという言葉がピッタリ。小さな会場ではあったが、歌声の素晴らしさからか、ブロードウェイの舞台で歌っているように見えた。美容液のCMみたいだけど、歌声には、美しくハリがあって、くすみのないピュアなもの。これほどまで真心のこもった美しい歌声が出せるのは、さすが1年をかけてニューヨークで鍛えた賜物ともいえる。
会場に来ているニューヨーカーらも、菜々の歌声の素晴らしさに魅了されているようだった。NY大学教授の山野氏も会場へ足を運んでいたが、「これまでも、いろいろな日本人の演奏を聴きに来ているが、これほど素晴らしく観客を惹きつける構成や表現などを含めたトータルパフォーマンスを観たのは初めてだった」と語った。
【プロフィール】
高野 菜々(こうの なな)
広島県出身。血液型A型。広島音楽高校を経て、2008年6月から音楽座ミュージカルに参加。初舞台で主役に抜擢、圧倒的な歌唱力と大胆な演技が注目され、以降、常に主要な役柄をつとめてきた。声優では賢プロダクションに所属、『タンブルリーフ』フィグ役(主役)、『妖怪ウォッチ2』フミアキ役、ディズニー・チャンネル『パグ・パグ・アドベンチャー』ビンゴ役(主役)など活躍している。TOKYO FM、広島FM『Dream Theater』で3年間ラジオパーソナリティをつとめた後、広島FMにて『THEATER NANA』のパーソナリティをつとめた。2020年、「SUNDAY(サンデイ)」における演技で「令和2年度(第75回)文化庁芸術祭賞(演劇部門 新人賞)」受賞。
■高野菜々コンサート in NY「ブリリアント」配信
★特典映像付きアーカイブ配信
MIRAIL(ミレール)https://mirail.video/publisher-title/525 料金:3,300円(税込)
特典映像:"NANAのNYダイアリー"
配信期間:2023年3月12日(日)15:00〜3月26日(日)23:59
※配信開始時刻よりご購入いただけます
詳しくはこちらリンク
【関連リンク】
■音楽座ミュージカルについて Webサイト:
1987年の旗揚げから現在に至るまで、一貫したテーマで日本のオリジナルミュージカルを創り続けています。それぞれの作品は「生きる」ことの根源を問いかける精神性とオリジナリティを高く評価され、文化庁芸術祭賞、紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞など多くの演劇賞を受賞しています。
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com