NYで生きる!ワーキングマザーの視点
パンデミックのために設置した屋外テーブル撤去は必要?
NY市の至るところで、パンデミック中にソーシャル・ディスタンス確保のため、レストランが屋外にテーブルを設けていた。一時期は屋外にコタツを設置した日本食レストランまで登場したほど。パネルで完璧な防寒対策も行い、照明を置いたり、ペイントも完璧なところがあったり、観葉植物で飾ったりして、すでに屋外テーブルは、レストランの一部になっているようす。
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アフター5のアーリー・バードやハッピー・アワーと称する時間帯(早い時間は、客寄せのため少しだけアルコールの価格を安くで提供するレストランやバーが多い。)に、最近ではインフレが進んでるためか、若い人たちでにぎわうのだが、バーが設置している屋外テーブルにもたくさんの若者が早い時間から集まって飲んでいる。
NY市の最近の発表で、オープン・ストリート(歩行者天国のようなストリート)にあるレストランやバーは、車の通行量が多い同様のレストランよりもパンデミックの前より売上が高かったことがわかったという。歩行者天国となると、屋外のテーブルとは少し異なる形態ではあるが。
なかなかストリートの屋外テーブルがなくならないのは、オープン・ストリートと同様にレストランの売上が上がってるからなのかもしれない。
アウトドア・テーブル撤去のためNYミッドタウンにある老舗のカーネギー・デリも家主とコープ・ボードからリースを取り消されそうになっていて、負け戦の渦中にいるという。同デリのオーナーによると、アウトドア・テーブルがなければ、35%の売上を失うことになるそうだ。
ちなみにオープンス・トリート、クイーンズのアストリア、マンハッタンにあるチャイナタウンとコリアンタウン、ブルックリンのパークスロープ、プロスペクト・ハイツ(オープン・ストリートは、アジア系の多いところな気がするのだけど。気のせいかな?)の売上はレポートによると、
2021年の6月1日から8月31日までの5つの場所をあわせると、平均総収益は600万ドル近くで、パンデミック前の3年間の平均500万ドルを19%も上回っているという。
2021年の同時期、オープン・ストリート近くにあるが、通行止めになっていないエリアにあるレストランやバーは苦戦し、平均総収入が360万ドルで、パンデミック前の平均530万ドルより29%も減少したという。
そんな中、屋外テーブルを設置しているレストランそばの住民たちは屋外テーブル撤去を求めて運動を始めている。というのも、外なので騒がしいとか、交通の妨げになるのはもちろん、ネズミが増えたり、人気のないときにはホームレスの寝床になったり、レイプや麻薬取引など犯罪の温床になるというのだ。
トイレの壁に子供が落書きするような、イケてない落書きも時折されてたりするから、近くに住んでると毎日それを見なくてはならないわけで、景観も損なわれる。反対するのも無理はない。NY市で暮らす人々の利益バランスをとるというのは難しいものだ。
【関連URL】
●NYポストのアウトドアに反対する住民運動のニュース
●オープン・ストリートをブルックリンに広げていこうというボランティア団体のサイト
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com