NYで生きる!ワーキングマザーの視点
WOKUNIでマグロの解体に目を輝かせるニューヨーカーたち
ニューヨークにレストランWOKUNI(うおくに)がオープンしたのは、2017年の10月。開店当初は、高級店っぽい黒を基調とした和風な内装で、お金持ちのお客さんしか入れないのかと思っていたのだけど。新鮮なお魚が食べれるのに、ニューヨークにしてはお手頃な価格で感激したものだった。生牡蠣と白ワインのハッピーアワーセットなどもお目当てでいってたが、今はやっていないらしい。
日本では一部上場の水産企業である、うおくに。"垂直統合型"の水産企業として、養殖から加工、流通、販売の全てを一貫して行う6次産業化を実現しているのだという。今回、うおくに海外一号店であるニューヨーク店にオープン当初から派遣されているGM(General Manager)のKuniaki Yoshizawa(吉澤邦明)にお話をうかがうことができた。
──うおくにが6次産業化した原点は?
うおくにの原点は1996年10月に1号店を出店した、とらふぐ専門店『とらふぐ亭』なので、私もフグを調理する免許を持っています。日本にはフグ専門店を40店舗くらい展開していて、とらふぐを使って調理しています。
うおくにはフグも養殖していて、養殖のフグは毒がありません。だからフグを調理する免許のない主婦でも調理できますし、居酒屋でも広くフグが提供されるようになりました。つまりフグの流通がもとで、幅広く業務拡大していったんです。
──うおくには長崎県の平戸に魚の養殖所があると知ったのですが、フグって下関の名物っていうイメージがあるので、下関が一番の漁場かと思ってました。
フグは日本各地で捕れるんですが、下関は集積地で、日本各地のフグが集まってきて、競りが行われます。
──下関の対岸にある門司出身なので、フグが門司でもたくさん釣れるのは、下関が近いからかと思ってました。天然だと毒があるのでしょうか?それでも、危険な肝が一番美味しいといいますが。
弊社では肝は出していないです。(日本ではフグの種類に関係なく、肝臓は「有毒部位」とされ、流通が禁止されている。)
──日本で天然のフグに毒が入ってるかもしれないのに天然のフグをいまだに食べてる人がいるというのは、ドラッグみたいなものなんですかね?天然由来のドラッグである、マジック・マッシュルーム(サイロシビンまたは、サイロシンを含有するきのこで幻覚作用が起こる)みたいな?
それは、全然ちがいます(笑)
養殖のフグには毒がないので大丈夫ですが、自分で釣った魚を調理して食べて、亡くなっている方は今でもいるようですね。
──せっかく釣ったのに、捨てるのはもったいないからって、食べてしまうんでしょうね。
とらふぐは食べれる部位が多いから流通しています。(マンボウやカワハギもフグの一種で、世界に100種、日本近海に50種、食用として許可されているのは22種だという)。しかし、ミニフグでも、毒のあるフグがいるんです。
──コロナ禍でニューヨークにあったレストランが閉店していく中、二ューヨークのうおくには、このコロナ禍を生き延びた店として、スゴイですね。人気の店にできているのは、GMである吉澤さんの力でしょうか?
私は日本から赴任して丸5年、ニューヨークに住んでます。E2ビザなので、2年に一度は海外へ出てビザの更新をしています。ビザ更新のため日本へ帰る必要がないので、仕事以外に日本へは行かなかったのですが。
先日3年ぶりにプライベートの休暇で日本に帰ったので、2週間ほど、遊ぶ計画をたてて遊びにいきましたが、パワーがないんです。。。
──パワーがないとはいえ、筋肉質ですが・・・。
筋トレしています。うおくにでマグロの解体をやるキャラづくりを目指すためでしょうか。
──ニューヨークのうおくにで、マグロの解体をお客さんに見せるというイベントは、どのくらいの期間やっているんですか?
月に一度くらいの間隔でやってきていて、すでに30回以上は開催しています。
さて百聞は一見にしかずなので、マグロ解体イベントに関してはビデオでどうぞ。
<編集後記>
レストランの人気は開店当初から続いてるようで、テーブルは平日火曜日なのに満席だった。解体ショーの前列に座ってたカップル(黒人男性と白人女性)は、デートのためにオフィスが近いので、たまたま帰りに寄ったという。目の前でマグロの解体が見れるなんてラッキーだったと言っていた。
解体の後は、競りも行われるのだが、競り落とした部位は、うおくにの調理師さんがお料理してくれた後、テーブルへ運ばれてくる。いやはや大きな魚が見れる迫力と、さばいたばかりの脳天や顎などといった、めったに食べることのできないマグロの部位は、とても美味しかった。調理師さんの腕ももちろん一流だった。
【関連リンク】
Wokuni NYオフィシャルサイト
著者プロフィール
- ベイリー弘恵
NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。
NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com