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NYで生きる!ワーキングマザーの視点

ベイリー弘恵|アメリカ

NYの街にも増え続けているオポッサムはカワイイの?

©iStock

数年前、死んだフリをすることもできるというオポッサムという小動物が、我が家のバックヤードでウッドチャック(別名グラウンドホッグ)を捕獲するために設置していた金網の罠にかかった。ロマンスグレーの男性のような白い体毛に覆われた、ちょっと目つきの悪いネズミのようなヤツを私はその時に初めて目にした。

アメリカではポッサムと呼ぶ人もいるが、ポッサムは、オーストラリアの樹上生活する有袋類。日本ではフクロギツネと称されている。オポッサムは、日本では、フクロネズミ、子守ネズミと呼ばれているようだ。子供を背中にたくさんのせてる母オポッサムの姿はたくましい。カナダ南東部からアメリカ合衆国東部,メキシコに生息する有袋類だ。

先日、マンハッタンで巨大なネズミが死んでるのかと思ってたが、どうやら大きさからしてポッサムだったようだ。

いろいろ調べているうちに、ニューヨーク市にポッサムが増え続けている要因の一つに、ブルックリンでネズミ退治をするためにポッサムを放ったという記録が、2007年のコミュニティー委員会の会議録に残っているのだという。ポッサムはネズミ退治が終われば、餌がなくなるだろうから自滅すると信じていたというのが浅はかだった。
NYより北のコネチカット州でパッケージがオポッサムに盗まれたニュース

今となっては、街の中でピザやバーガーの食べ残しをキレイに片付けてくれたりするらしいが。その分、ゴミ箱をあさったり、デリバリーされて玄関に置かれているパッケージを盗んだりという悪さもする。見方によっては、どんな人でも長所が短所になるように、動物だってプラスな面もあればマイナスな面もある。

オポッサムを飼って可愛がる人もいるらしい。。。

もともとオポッサムは体温が低いため、狂犬病を媒介できないらしく、狂犬病を発症する可能性のある他の小動物より安全な上、蛇やハチ、サソリの毒さえオポッサムには太刀打ちできないという。

その上、害虫であるゴキブリやライム病を媒介するダニを1シーズンで5000匹以上は退治するだろいうという研究により、自然のサニテーションワーカーと呼ばれるほどだった。ただしこちらは研究室内での動物実験だったということが盲点なのがわかった。

2021年、イリノイ州に生息する32体のバージニア・オポッサムの胃の内容物を解剖顕微鏡で調査した研究により、野生のオポッサムがダニを好んで食べるわけではないと結論づけられることとなったのだ。そうそう人間の思いどおりに、動物の生体が存在するわけではないってことだ。

NYPDに捕獲されるオポッサム




○ブルックリンでネズミ退治のために放たれたオポッサムの記事https://nymag.com/intelligencer/2010/09/in_a_rat-eats-possum_world_eve.html

https://gothamist.com/news/brooklyns-opossum-problem-was-brooklyn-made

https://www.brooklynpaper.com/city-dont-blame-us-for-opossum-oppression-2/

○2021年にバージニア・オポッサムの胃の内容物を調査した結果https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1877959X21001333?via%3Dihub

https://www.fieldandstream.com/conservation/possums-dont-eat-ticks/

○ニューヨークの街に生息するオポッサムの記事
https://www.harlemworldmagazine.com/urban-opossums-are-on-the-rise-in-new-york

 

Profile

著者プロフィール
ベイリー弘恵

NY移住後にITの仕事につきアメリカ永住権を取得。趣味として始めたホームページ「ハーレム日記」が人気となり出版、ITサポートの仕事を続けながら、ライターとして日本の雑誌や新聞、ウェブほか、メディアにも投稿。NY1page.com LLC代表としてNYで活躍する日本人アーティストをサポートするためのサイトを運営している。

NY在住の日本人エンターテイナーを応援するサイト:NY1page.com

ブログ:NYで生きる!ベイリー弘恵の爆笑コラム

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