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エルサレム首都宣言とイラン核合意破棄の類似性
ユダヤ人富豪とクシュナーの影響なのか
では、なぜトランプ大統領は歴代大統領が避けてきた、エルサレムがイスラエルの首都であることを認め、宣言したのであろうか。ニューヨーク・タイムズはその背景に、トランプ大統領を支持する大富豪であるシェルドン・アデルソンが強い影響力を働かせたのではないかと報じているる。
この記事によれば、アデルソンはトランプ大統領が就任してから半年後に「エルサレム大使館法」の一時停止を継続する大統領令に署名したことに対して激しく抗議し、トランプ大統領は大口の支援者であるアデルソンの機嫌を損ねないようにエルサレムをイスラエルの首都であると宣言したのではないかとみている。
また、政権内でもトランプ大統領との関係があまり良くないとされているティラーソン国務長官や、マティス国防長官らが反対したにも関わらず、最終的にアデルソンと関係が深いユダヤ教の敬虔な信者である娘婿のクシュナー大統領顧問がエルサレム首都宣言を認めたことが大きな決め手になったとも報じられている。
クシュナーはトランプ政権において中東和平を進める責任者であり、ただでさえユダヤ人であることで誠実な仲介者となるかどうか疑問視されていたが、11月に突然のように中東和平案を年内に作成すると宣言し、政権を上げた取り組みになると主張した。この中身については未だに明確になっていないが、これまでの経緯から考えるとクシュナーが進めてきたサウジアラビアやUAEとの関係強化によって、イスラエルに有利な条件であってもサウジやUAEがそれを受け入れることによってパレスチナ自治政府の反対は押し切れるという読みがあるのではないかと考えられる。実際、サウジが進めるイエメン内戦への介入やカタールとの断交、イランとの対立に関して、トランプ大統領もクシュナーも全く関与せず、サウジに中東地域の秩序形成の白紙委任状を与えている状態であり、これが中東和平を進めるための布石だ、という見方もある(なお、国務省にはこうした戦略は伝えられておらず、それ故ティラーソン国務長官とホワイトハウスの話がしばしば食い違うともみられている)。
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