関税ショックは株だけじゃない、米国債の信用崩壊も始まった
Why US Treasuries Sell-Off Is Nightmare Scenario for the Economy
ベッセントは、2月上旬のFOXビジネスとのインタビューでは、「FRBがいつ利下げをするか、政権は10年物国債の利回りの動向を注視している」とも発言している。
ただしロイターによれば、トランプ関税がインフレ圧力を高める可能性があるため、FRBがその上さらに利下げに踏み切る余地は限られているという。
インフレと景気後退が同時に進む「スタグフレーション」への懸念が強まる中、FRBのジェローム・パウエル議長は難しいかじ取りを迫られている。景気刺激のためには利下げで借入れをしやすくしたいが、インフレを抑えるには金利を上げる必要があるためだ。
一方、ドル指数は大統領選以降で初めて102ポイントを下回った。
ヘッジファンド「ブルー・エッジ・アドバイザーズ」のポートフォリオマネージャー、カルビン・ヤオはブルームバーグに対し、「これは国債の投げ売りだ。2020年のパンデミック以降、これほどの混乱は見たことがない」と語った。
英エコノミストのグッドハートは、トランプの政策について次のように警告した。
「関税はアメリカのインフレ率を押し上げる。その上過大な関税収入見積もりに基づいた減税やFRBへの利下げ圧力が加われば、財政の持続可能性に大きな疑問が生じる。米国債は中長期的にリスク資産になるだろう」