関税ショックは株だけじゃない、米国債の信用崩壊も始まった
Why US Treasuries Sell-Off Is Nightmare Scenario for the Economy
相互関税は、貿易赤字の解消と製造業の回帰を掲げて、4月2日に発表された。大国から小国まで世界の数十カ国に対し数十%の高い関税が課されるとわかって、世界の市場は大混乱に陥った。
先に課された関税と合わせて54%の関税を課された中国は反発し、アメリカからの輸入品に34%の関税をかけると発表。するとトランプは、報復として中国への関税を50%引き上げ、104%にすると発表した。
ブルームバーグによると、中国を含む外国政府が、トランプの関税政策を受けて外貨準備の中の米国債の保有比率を見直している可能性があるという。ロイターは、株価の下落に伴う追証を支払うためにヘッジファンドが米国債を売っているとも報じている。
この売り圧力は、2020年の「現金化パニック」とも比較されており、当時はFRBが1.6兆ドルもの米国債の緊急買い入れを行った。
イギリスの経済学者で元イングランド銀行の主席顧問チャールズ・グッドハートも、株価急落で追証を求められた投資家が必要に迫られて国債を売ったのだろうとみている。
財務長官のスコット・ベッセントも、テレビのインタビューで「1月中に10年債の利回りが5%を超えそうになった。住宅ローンや借り入れの基準になる金利なので、経済にとっては厳しい水準だ」と述べた。「国債の発行条件としても高過ぎる」