最新記事
生活保護

群馬県桐生市の生活保護世帯が過去10年で約半減している

2025年3月19日(水)11時45分
舞田敏彦(教育社会学者)

ちなみに、減少率が高いのはどういう世帯かを見ると、<表1>のようになる。

newsweekjp20250319020748-8fd165623dc2a4f6fb3d50431f5ef816cda0e43e.png


 

桐生市の生活保護受給世帯は、2012年度から22年度にかけて896世帯から487世帯に減ったが、なかでも母子世帯の減少率が著しく大きい。母子世帯の全数が同じスピードで減っているとは考えにくく、何とも不可解だ。

不正受給が抑止されているのか、それとも違法な「水際作戦」がはびこっているのか。生活保護行政が適正に機能しているかは、第三者目線で常に検証されねばならない。そのためのツールは統計資料であって、生活保護情報グループが「生活保護率増減マップ」をインターネット上で公開していて、区市町村別の生活保護受給者数、それを人口で割った保護受給率の時系列変化を知ることができる。失業率や非正規雇用率等が同水準の他の地域と比べて、生活保護受給率が著しく減っているような自治体は要注意だ。

官の手によって、こうした情報が広く公開されることが望まれる。

<資料>
厚労省『被保護者調査』
『群馬県健康福祉統計年報』
生活保護情報グループ「生活保護率増減マップ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

人型ロボット、5年以内に製造現場で一般的に=エヌビ

ワールド

インドネシアの金融法改正審議、中銀責務の修正は予想

ビジネス

テンセント、第4四半期は11%増収 ゲーム事業が寄

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、2月は前年比2.3%に下方改定
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 5
    「トランプ錯乱症候群」(TDS)って何? 精神疾患に…
  • 6
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「二酸化炭素(CO₂)排出量…
  • 8
    DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ…
  • 9
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 10
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 7
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 10
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中