イスラエル、ヒズボラと停戦でもガザでの合意は見通せず
戦闘の切り離し
イスラエルと米国の両政府高官は、ハマスと同じくイランの支援を受けるヒズボラがガザ紛争から切り離されたことを評価した。
しかし、テルアビブ大のシンクタンク、国家安全保障研究所(INSS)のオーファー・シエラ上級研究員はロイターに対して、切り離しが結果としてガザでの戦闘終結を難しくするかもしれないと指摘。「ガザを巡ってイスラエルに現実的な圧力がかかることがなくなった」と語り、ハマスと和平協定を結ぶことはネタニヤフ氏の目的達成にはならないかもしれないと付け加えた。
ネタニヤフ政権は戦闘に前向きなタカ派で占められており、その中にはヒズボラとの停戦を非難し、ガザの占領を望んでいるメンバーもいるため「ガザでの戦争が終結すれば連立政権が脅かされるため、戦争継続はネタニヤフ氏にとって政治利益があると思う」との見解を示した。
人質となっているイスラエル人の家族も、ネタニヤフ氏がヒズボラとの停戦に合意したことに怒りをあらわにした。
ハマスは約1200人の犠牲者を出した23年10月のイスラエル南部への攻撃で拘束した人質の残りと引き換えに、イスラエルに捕らわれているパレスチナ人の解放を求めている。イスラエル軍のガザからの撤退も要求する一方、武装解除や解散の要求も真っ向から拒否している。
双方の立場の違いが鮮明な中で、イスラエルのディヒテル農相はハマスがガザで将来的に何らかの役割を果たすことは考えられないとし、イスラエル軍がガザから近いうちに撤退することもあり得ないと断言。 「われわれはガザに長く留まることになるだろう」と予想した。


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