イスラエル、ヒズボラと停戦でもガザでの合意は見通せず
連日の攻撃
ガザでの戦闘は、大方の予想をはるかに超えて長期化している。約1年2カ月間に及ぶ戦闘でガザの大部分は廃墟と化し、約4万4000人のパレスチナ人が犠牲となった。イスラエル軍は依然としてハマスの一掃を目指し、ガザの広範囲を連日攻撃している。
イスラエルとヒズボラの停戦合意のニュースは、見捨てられて忘れ去られたと感じているガザ住民の多くに暗い気持ちで受け止められた。
ガザ中央部のテントで家族とともに避難生活を送るアヤさん(30)は「ある場所に雨が降れば、別の場所にいる人々にとって良いことが起こる前兆だという。レバノンの停戦合意の後、戦争を終わらせるための努力がガザに集中的に振り向けられることを願っている」と語った。
イスラエルとハマスの仲介で中心的な役割を果たしているエジプトでも、かすかな楽観論が浮上した。エジプト安全保障筋の2人によると、イスラエルはレバノンでの停戦が維持された場合、ガザでの停戦交渉を再開させるとエジプトに通告した。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)はバイデン氏が特使をトルコ、カタール、エジプトなどの中東諸国と交渉させることで、ガザでの停戦に向けた働きかけを再開させると明言した。
しかし、米大統領は来年1月にトランプ氏に交代する。トランプ氏は戦闘終結に向けて取り組むとしながらも、どのように実現するかの計画を何も示していない。パレスチナ人たちはトランプ氏がこれまでに極めてイスラエル寄りの姿勢を示してきたことから楽観視していない。