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米経済停滞の予想6割に、物価高継続の見方=JPモルガン投資家調査

2025年04月28日(月)09時37分

 4月25日、 米JPモルガンが発表した投資家への調査で回答者の約6割が米国経済は停滞し、インフレ率は米連邦準備理事会(FRB)目標の2%を上回り続けて物価高が継続すると予想し、来年にかけてスタグフレーション(景気低迷の中での物価上昇)に陥るリスクが高いとの見方を示した。仏パリの同社オフィスで2023年1月撮影(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)

[25日 ロイター] - 米JPモルガンが25日に発表した投資家への調査で回答者の約6割が米国経済は停滞し、インフレ率は米連邦準備理事会(FRB)目標の2%を上回り続けて物価高が継続すると予想し、来年にかけてスタグフレーション(景気低迷の中での物価上昇)に陥るリスクが高いとの見方を示した。

約2割の回答者はインフレ率が3.5%を超えると予想。その上で、25年に最もアウトパフォームが期待される資産は現金だと予想した。

調査は4月1―24日に実施され、495人が回答した。

回答者の大多数は、トランプ米大統領が輸入品への関税を引き上げたことは米国経済に最もマイナスの影響を与える政策だと受け止めている。

米ドル相場は下落し、年内に対ユーロで1ユーロ=1.11ドル以上になるとの予想が過半数を占めた。その通りになった場合、ドルは年内に少なくとも8%下落することになる。

JPモルガンは、トランプ氏の就任に伴う「結果と市場への影響を巡り、米国の投資家と外国の投資家との間で見解の相違が目立った」と指摘した。

長期金利の指標となる米国債の10年債利回りは現在の水準からあまり低下しないとの見方から、現金は引き続き割高になると予想されている。回答者の半数超は、10年債利回りが年内に4.25%以上になるとの見方を示した。

北海ブレント先物価格 については、回答者の半数近くが現在の1バレル=66ドルからさほど遠くない水準で安定して推移すると予想。一方、約3割は1バレル=60ドル以下に下落するとの見通しを示した。

新興市場株式が他の資産をアウトパフォームするとの見方は13%となり、先進国株式がアウトパフォームとする9%を上回った。

25年に資金流出が最も大きいのは米株式になるとの回答は57%に達した。

環境・社会・統治(ESG)投資戦略については30%が維持に努めるとし、42%が関心がないと答えた。

ロイター
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