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荒川河畔の原住民⑪

元自衛官、米軍特殊部隊員...海外に別荘を持つ「大金持ち」からホームレスになった波乱万丈人生

2024年11月13日(水)19時55分
文・写真:趙海成

運良く大会で優勝し、2800万円の賞金を獲得したのだという。兄貴はそのお金でニュージーランドの浜辺に別荘と20人乗りの中古のクルーザーを買い、一緒に参加した友人たちと浜辺で数日間思う存分遊んだ。参加者の中には芸能人もいたという。

日本に帰るときに、兄貴は別荘と船の管理を地元の弁護士に任せた。

しかし間もなく、ニュージーランドで大地震があった。そのせいで弁護士は自分のヘリコプターの会社をやむなくたたみ、その負債の穴埋めをするために兄貴の別荘と船を他人に売ってしまったという。新しい購入者が登記しに行ったときにその問題に気づいた。

兄貴も購入者もその弁護士に騙された。本当に思いもよらないことだった。

現在、3000万円を超えるその家はニュージーランドの地元政府の手に握られており、兄貴本人が自ら引き取り手続きをしに行かなければならず、誰も代理ができないようになっている。そのためには旅費と手数料などを合わせて約200万円かかる。

兄貴のその後の境遇は、そんな大金を集めることができなかったので、この案は今日まで解決されていないままだという。

成功していたのに、貧乏になってしまった3つの理由

兄貴は事業が成功し、たくさんのお金を持っているのではないか、どうして急に貧乏になったのか、と疑問に思う読者もいるだろう。

原因は3つある。1つ目は彼が大きい交通事故に遭遇し、車にぶつかられて全身に重傷を負ったことだ。兄貴によれば、治療にかかったお金は1億3000万円。相手の保険会社に負担してもらった。

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