最新記事
日本政治

大詰め自民党総裁選、声の専門家が読み解く「最有力候補」の本音と実力

The Secret of Voice

2024年9月25日(水)06時30分
山﨑広子(音楽・音声ジャーナリスト、「声・脳・教育研究所」代表)

newsweekjp20240924114835-774e5c5471051312c01a4bc4b9bc6a1900d2b2b2.jpg

茂木氏の声はなぜか「引っかかり」を感じさせる RODRIGO REYES MARIN-POOL-REUTERS

茂木敏充(幹事長)

なぜか後ろに引っ張られるような引っかかりを感じさせる声である。舌骨が常に少し高めの位置にあるために喉頭も上がり気味。これは舌根に力が入っていることによるものだろう。リップノイズを気にして不要な力が入っているのかもしれない。

音色には柔らかさがあるので、もう少し喉頭を下げ、音程も下げることを意識すればより説得力のある声になるはずである。共鳴腔も広いので、もっと朗々とした声を出せるはずだが、地声があまり聞こえてこないのは、地声域で使われるべき声帯の筋組織がきちんと振動していないためのようである。


演説になるとさらに声が硬くなって、素晴らしいことをやっていても、それを伝えるべき場面で声の良い部分が引っ込んでしまう。頭の回転に口が付いていかずにかすかなタイムラグが生じるのも、言葉が真っすぐに届かず残念だ。

◇ ◇ ◇


人を知るには、まずはその声をよく聴くことだ。声は、その人の考え方、価値観、そして人となりまでも映し出す。政治家の声に耳を澄ますことで、私たちは彼らが何を考えているのか、そして彼らがどのような未来を描いているのかを知ることができる。

たかが声、ではない。誰が選ばれるのか、その人はどんな声か。それによって、歴史の歯車がどちらに回り始めたのかが分かるだろう。

20241001issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月1日号(9月25日発売)は「羽生結弦が能登に伝えたい思い」特集。【ロングインタビュー】被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

野村証券、国債先物取引で相場操縦 監視委が課徴金命

ワールド

中国、高齢者にボランティアに呼びかけ 「市民活動に

ビジネス

今年の世界経済成長率3.2%、日本はマイナス成長に

ビジネス

コメルツ銀との取引、条件整う場合に限る=ウニクレデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサリン妃御用達デザイナー「移籍」で選択肢ゼロに
  • 2
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 3
    まさかの「ハリス不支持」...130万人からなる「あの巨大労組」が異例の声明、大統領選への影響は?
  • 4
    先住民が遺した壁画に「当時の人類が見たはずがない…
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    中国「愛国ビジネス」暴走、日本人襲撃...中国政府は…
  • 7
    中東は全面戦争に突入寸前、レバノンは「もう一つの…
  • 8
    「大統領選敗北なら2年以内にイスラエル消滅」トラン…
  • 9
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 10
    「ゾッとした」「未確認生物?」山の中で撮影された…
  • 1
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 2
    がん治療3本柱の一角「放射線治療」に大革命...がんだけを狙い撃つ、最先端「低侵襲治療」とは?
  • 3
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 4
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 5
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 6
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 7
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 8
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 9
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 10
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 9
    「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_i…
  • 10
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中