午後3時のドルは一時142円台、半年ぶり安値 米関税懸念は不変

4月11日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の143円半ばで取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)
Shinji Kitamura
[東京 11日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の143円半ばで取引されている。米関税政策への警戒感が、リスク回避的に円やスイスフランの押し上げにつながった。対ドルで円は半年ぶり、スイスフランは10年ぶり高値を付けた。
ドルは東京市場でも上値の重い展開が続き、対円で午前9時過ぎに一時142.88円まで下げ幅を拡大。昨年9月30日以来、半年ぶり安値を更新した。その後は143円台へ反発する場面もあったが、午後には再び安値と同水準まで一時反落するなど、上値の重い展開が続いた。
ドルは対円以外でも軟調で、スイスフランは一時0.81フラン半ばと、2015年1月以来、約10年ぶりドル安/フラン高水準を更新。ユーロも一時1.13ドル後半と、約3年ぶり高値をつけた。
トランプ米大統領が9日に関税発動の90日延期を打ち出したことで、ドルは同日の安値143円台から148円台まで急速に反発したが、10日海外市場でその上昇を帳消しにする下げとなり、きょうの東京市場では一段の下落となった。
市場では、対中国で高関税政策が維持されていることや、日本を含む各国に対する一律10%の関税は維持されたままであることなどが、楽観の早期後退につながったとの声が多く聞かれた。「米株や米債の売りが止まらない限り、円高圧力はかかり続けるだろう」(バークレイズ証券為替債券調査部長の門田真一郎氏)という。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 143.58/143.63 1.1283/1.1285 162.04/162.07
午前9時現在 143.76/143.77 1.1257/1.1259 161.82/161.84
NY午後5時 144.45/144.46 1.1197/1.1200 161.78/161.82