オーストリア総選挙、極右自由党が初の第1党へ 連立樹立は難航か
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29日実施されたオーストリア国民議会(下院、183議席)の総選挙は、公共放送オーストリア放送の得票予測によると、極右政党の自由党が初めて第1党となる情勢だ。写真は自由党のキクル党首。29日、ウィーンで撮影(2024年 ロイター/Lisa Leutner)
29日実施されたオーストリア国民議会(下院、183議席)の総選挙は、公共放送オーストリア放送の得票予測によると、極右政党の自由党が初めて第1党となる情勢だ。欧州で移民を巡る懸念により極右系政党への支持が広がっている状況が鮮明になった。
同放送の予測によると、キクル党首が率いる自由党の得票率は28.8%と、ネハンマー首相の保守、国民党の26.3%を若干上回った。中道左派の社民党は21.1%となっている。選挙戦では移民問題と経済問題が最大の争点となった。
1950年代に元ナチス党員らが創設した自由党は反移民政策を掲げて選挙戦を展開。党のイメージ改善に取り組み、支持を広げてきた。だがキクル党首は挑発的で極端な論戦を続けているため、他党の党首は自由党との連立に否定的な態度を示している。
仮にキクル党首が連立で他党を説得できなければ、自由党の政権奪取の望みは断たれ、より穏健な政党同士による連立政権の樹立に道を開くことになる。
自由党の勝利は欧州の他の極右政党から歓迎されている。オランダ、フランス、ドイツなど欧州では極右政党が台頭しており、ロシアに侵攻されているウクライナの防衛といった重要な政策分野で欧州連合(EU)が分断する恐れが出ている。
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