最新記事
極右

オーストリア総選挙、極右自由党が初の第1党へ 連立樹立は難航か

2024年9月30日(月)10時42分
自由党のキクル党首(中央)

29日実施されたオーストリア国民議会(下院、183議席)の総選挙は、公共放送オーストリア放送の得票予測によると、極右政党の自由党が初めて第1党となる情勢だ。写真は自由党のキクル党首。29日、ウィーンで撮影(2024年 ロイター/Lisa Leutner)

29日実施されたオーストリア国民議会(下院、183議席)の総選挙は、公共放送オーストリア放送の得票予測によると、極右政党の自由党が初めて第1党となる情勢だ。欧州で移民を巡る懸念により極右系政党への支持が広がっている状況が鮮明になった。

同放送の予測によると、キクル党首が率いる自由党の得票率は28.8%と、ネハンマー首相の保守、国民党の26.3%を若干上回った。中道左派の社民党は21.1%となっている。選挙戦では移民問題と経済問題が最大の争点となった。

1950年代に元ナチス党員らが創設した自由党は反移民政策を掲げて選挙戦を展開。党のイメージ改善に取り組み、支持を広げてきた。だがキクル党首は挑発的で極端な論戦を続けているため、他党の党首は自由党との連立に否定的な態度を示している。

仮にキクル党首が連立で他党を説得できなければ、自由党の政権奪取の望みは断たれ、より穏健な政党同士による連立政権の樹立に道を開くことになる。

自由党の勝利は欧州の他の極右政党から歓迎されている。オランダ、フランス、ドイツなど欧州では極右政党が台頭しており、ロシアに侵攻されているウクライナの防衛といった重要な政策分野で欧州連合(EU)が分断する恐れが出ている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241008issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月8日号(10月1日発売)は「大谷の偉業」特集。【保存版】ドジャース地区Vと初の「50-50」を達成。アメリカは大谷翔平をどう見たか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アラブ諸国の反応割れる、サウジは沈黙 ヒズボラ指導

ワールド

オーストラリア、歳出抑制で2年連続財政黒字 GDP

ビジネス

中国製造業PMI、9月は49.8に上昇 50割れは

ビジネス

午前の日経平均は反落、「高市トレード」巻き戻し 下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 2
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 3
    南洋のシャチが、強烈な一撃でイルカを「空中に弾き飛ばす」瞬間を撮影...残酷で完璧な狩りのスキル
  • 4
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 5
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    「石破首相」を生んだ自民党総裁選のダイナミズムと…
  • 8
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
  • 9
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 10
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 3
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 4
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 5
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 6
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 7
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 8
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 9
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 10
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中